雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2024年09月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
352
ISBN:
9784041148877

雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

  • 著者 東畑 開人
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2024年09月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
352
ISBN:
9784041148877

家庭で、職場で、ふだん当たり前にしているケアが難しくなった時の道しるべ

――
こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。

同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。

ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘を差すように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
――(まえがきより)
――
こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。

同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。

ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘を差すように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
――(まえがきより)

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 読んでとてもよかった本。自分がケアされたりしたりするなかで、少しでも助けになるかと思って臨床心理学の本を注意して読んでいたが、とくに東畑先生の本は易しいことばで優しく書いてあるため万人におすすめできる 読んでとてもよかった本。自分がケアされたりしたりするなかで、少しでも助けになるかと思って臨床心理学の本を注意して読んでいたが、とくに東畑先生の本は易しいことばで優しく書いてあるため万人におすすめできる。ちょっとした気遣いのレベルでも立派にケアと呼べるということや、日々のサポートの積み重ねがひとを治していくのだということ、実感を持って読めた。ケアに関わる仕事のかたたちが軽視されているということ、わたしもずっと思っているのだけどなんとかならないのだろうか。ケアされるのは当たり前のことではないよ。 …続きを読む
    佐島楓
    2024年10月19日
    61人がナイス!しています
  • 臨床心理学者の著者による素人のための「こころのケア教室」。5日間の講義形式で、毎回講義の最後には質疑応答がある。「雨の日」とは「こころが雨の日」のこと。ケアとセラピー、エロスとタナトス、PSポジションとD 臨床心理学者の著者による素人のための「こころのケア教室」。5日間の講義形式で、毎回講義の最後には質疑応答がある。「雨の日」とは「こころが雨の日」のこと。ケアとセラピー、エロスとタナトス、PSポジションとDポジション、転移と逆転移など適度に専門的で親切でわかりやすく、読後何となくゆる~っと楽な気もちになった。「僕らはケアの中を泳いでいます。つまり、つながりの中で生きているということです」。母の介護で帰省するたび、父と必ず口喧嘩してしまうのだが、その理由がちょこっとわかる気がしたので、次回はうまくやれるかも。 …続きを読む
    pirokichi
    2024年11月08日
    26人がナイス!しています
  • 人は、ふいに雨に降られるかのように、ある日突然誰かのこころのケアをすることになる時がある。そのような時に役立つ心理学=雨の日の心理学を東畑さんが授業のように語る一冊です。こころのケアの本質は「わかる」 人は、ふいに雨に降られるかのように、ある日突然誰かのこころのケアをすることになる時がある。そのような時に役立つ心理学=雨の日の心理学を東畑さんが授業のように語る一冊です。こころのケアの本質は「わかる」ということ。それは相手のこころを受け取り、それを解釈することだとしています。そのために内面の変化を目指すのが「きく」という方法であり、環境の変化を目指すのが「おせっかい」。「きく」というのは相手のこころを自分のこころに置いておくことであり、「おせっかい」は環境のトゲをとり除くこと。素晴らしい一冊でした。 …続きを読む
    ほし
    2024年09月07日
    14人がナイス!しています

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