100分間で楽しむ名作小説 神童

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2024年03月19日
判型:
文庫判
ページ数:
160
ISBN:
9784041148143
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100分間で楽しむ名作小説 神童

  • 著者 谷崎 潤一郎
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2024年03月19日
判型:
文庫判
ページ数:
160
ISBN:
9784041148143

「才能」の限界を知る100分間。いつもより大きな文字で届ける厳選名作

小学一年生の頃から抜群の成績を修め、誰もが「神童」と褒めそやした春之助。だが、十二歳になる頃には家にこもって本を読むばかりで、無口で弱々しい少年となってしまった。才気あふれる息子を誇っていた両親も将来を憂えるようになったが、彼はますます書物の世界へのめり込んでいった。限界を知ったときに新しい世界が広がる、圧倒的才能の物語。
小学一年生の頃から抜群の成績を修め、誰もが「神童」と褒めそやした春之助。だが、十二歳になる頃には家にこもって本を読むばかりで、無口で弱々しい少年となってしまった。才気あふれる息子を誇っていた両親も将来を憂えるようになったが、彼はますます書物の世界へのめり込んでいった。限界を知ったときに新しい世界が広がる、圧倒的才能の物語。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

神童

「100分間で楽しむ名作小説 神童」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • やっぱり谷崎潤一郎の小説は面白い。神童と呼ばれた少年のこころの内を透かしてみせて、その変わりようがリアルに感じる。どれだけ勉学が優秀であっても、人間の煩悩は等しくあり、驕りや蔑み、卑下や羨望で彼の心の やっぱり谷崎潤一郎の小説は面白い。神童と呼ばれた少年のこころの内を透かしてみせて、その変わりようがリアルに感じる。どれだけ勉学が優秀であっても、人間の煩悩は等しくあり、驕りや蔑み、卑下や羨望で彼の心の中は嵐のように荒れ狂う。最後にたどり着いた境地は、谷崎らしい美への讃美。本文155ページ。字も大きくて、注釈は少なく、解説もない。100分間では読めなかったけど、このシリーズはお手頃でいいですね。 …続きを読む
    アキ
    2024年05月25日
    89人がナイス!しています
  • 幼少より神童と言われ、人を高みから見下ろしていた頭でっかちの少年・春之助。弱い者に対する陰湿ないじめ、我慢できぬ食欲、外見に対する劣等感、恥ずべき性欲等々思春期ならではの諸々を経て、15歳にしてある境地 幼少より神童と言われ、人を高みから見下ろしていた頭でっかちの少年・春之助。弱い者に対する陰湿ないじめ、我慢できぬ食欲、外見に対する劣等感、恥ずべき性欲等々思春期ならではの諸々を経て、15歳にしてある境地に至る。「己はどうしても天才を持っているような気がする。己が自分の本当の使命を自覚して、人間界の美を讃え、宴楽を歌えば、己の天才は真実の光を発揮するのだ」。このくだりで、谷崎の自伝的小説なのかなと思った。そして才能とは、決してめげない心をいうのだなと思った。 …続きを読む
    pirokichi
    2024年07月02日
    20人がナイス!しています
  • さすがのキレの良さだった。13歳小学校で神童と言われた春之助。聖人になることが彼の目標だ。しかし彼の中に芽吹く傲慢さ、慢心が未来に影をおとす。若くして裕福な家の書生となり家庭教師として過ごす。そこで見た さすがのキレの良さだった。13歳小学校で神童と言われた春之助。聖人になることが彼の目標だ。しかし彼の中に芽吹く傲慢さ、慢心が未来に影をおとす。若くして裕福な家の書生となり家庭教師として過ごす。そこで見た華やかな生活、女性の魅力、「女色は卑しむべきものだ。淫欲は卑しむべき感情のだ」と学問で得た知識は崩される。毎夜行う「道徳上の罪悪(自慰)」に耽る春之助。しかしそこは神童、堕ちるところまで堕ちた結果、「本来の使命を自覚し、人間界の美を讃え、宴楽を歌えば、己の天才は真実を発揮する」。どんな大人になることやら。 …続きを読む
    桜もち 太郎
    2025年03月04日
    15人がナイス!しています

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