倒錯する愛に戦慄する100分間。いつもより大きな文字で送る厳選名作
職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになる――。
職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになる――。
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
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「100分間で楽しむ名作小説 人間椅子」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です
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「人間椅子」「目羅博士の不思議な犯罪」「押絵と旅する男」の3編を収録。字が大きく1ページあたりの文字数が少ないのと、乱歩の“怪奇幻想”を楽しむのに適した作品が選ばれているので、初めて乱歩を読む方にオスス
「人間椅子」「目羅博士の不思議な犯罪」「押絵と旅する男」の3編を収録。字が大きく1ページあたりの文字数が少ないのと、乱歩の“怪奇幻想”を楽しむのに適した作品が選ばれているので、初めて乱歩を読む方にオススメ。ただし原文そのままに「~して了う(しまう)」「それ丈け(だけ)」「併し(しかし)」といった表現が使われているので、その点では(読点の数も含め)修正されている新潮文庫版の方が読みやすいかも?
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122人がナイス!しています
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ベストセレクションを持っているにもかかわらず装丁買い。語り部によって展開する三遍から為る本書は文字も大きく内容的にも読みやすく、ホラーな乱歩に興味を持った方の初読本にちょうど良いかも。オチが分かってい
ベストセレクションを持っているにもかかわらず装丁買い。語り部によって展開する三遍から為る本書は文字も大きく内容的にも読みやすく、ホラーな乱歩に興味を持った方の初読本にちょうど良いかも。オチが分かっていても何度読んでも刺激的な表題作、とっても乱歩してるなぁと思わせる2作目、これまたラストの余韻が印象的な3作目。非常に纏まりの良い持ってるだけでも嬉しくなる一冊。
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64人がナイス!しています
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『曼珠沙華』(宮部みゆき)に続き、「100分で楽しむ名作小説」の二冊目。『人間椅子』、『目羅博士の不思議な犯罪』、『押絵と旅する男』の三篇が収録されている。『人間椅子』の狂気、気味悪さには驚嘆したが、ラ
『曼珠沙華』(宮部みゆき)に続き、「100分で楽しむ名作小説」の二冊目。『人間椅子』、『目羅博士の不思議な犯罪』、『押絵と旅する男』の三篇が収録されている。『人間椅子』の狂気、気味悪さには驚嘆したが、ラストがちょっと拍子抜け。『目羅博士…』は「クシャッ」という幽かな音が、大きく耳に残る。唯一既読だった『押絵…』は、闇をゆく黒い風呂敷、そしてその中で沈黙する押絵が目に浮かび、読後もひたひたと怖さが押し寄せて来る。 父の退院日に読了。
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26人がナイス!しています
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