しゅうまつのやわらかな、

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2024年12月19日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
224
ISBN:
9784046067982

しゅうまつのやわらかな、

  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2024年12月19日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
224
ISBN:
9784046067982

―鮮明に思い出せることほど、ほんとうは忘れられたことなのかもしれない。

忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。
随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。


装画:つくみず
装丁:名久井直子


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。
もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。
水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。
ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。
むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。
『石の日』より

……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。
何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。
『煮物にもなれない』より

ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。
『コンサバ』より

深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。
『めそめそメソッド』より

神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。
それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。
『ゴッホとズボン』より

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。
随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。


装画:つくみず
装丁:名久井直子


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小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。
もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。
水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。
ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。
むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。
『石の日』より

……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。
何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。
『煮物にもなれない』より

ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。
『コンサバ』より

深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。
『めそめそメソッド』より

神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。
それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。
『ゴッホとズボン』より

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※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

【目次】
瓶いっぱいのからっぽ
とんかつ大臣
ゴンドラ龍 ゴンドラゴン
カニにされた日
センセイと路地
育ちもしないがよく食べ眠る
ツチノコとウマイコトイッタナ
迷子日和
石の日
一切の責任を負います
スーパーマーケットという異界
ぼこぼこかまぼこ
ぬいぐるみは役に立たないから
めそめそメソッド
ゴッホとズボン
いなくなったエビ
穴のない靴下は存在しない
静けさをおそれないこと
煮物にもなれない
犬を棒に当てる
人生禁止おじさん
むいが来たりてむいと鳴く
コンサバ
 月 日

「しゅうまつのやわらかな、」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 短編集。不可思議ながらゆるい作品の数々に和まされる。読むほどに脱力していく感覚になり心地よかった。 短編集。不可思議ながらゆるい作品の数々に和まされる。読むほどに脱力していく感覚になり心地よかった。
    たかはし
    2025年03月02日
    3人がナイス!しています
  • 生活に対する素朴な感想を感じ取れるエッセイばかりだった。読後感は静かながら豊かで、それはエッセイは振り返りでしか書けないものなのか、それか各所に現れる本の引用のためか、それか挿絵のつくみずのせいなのか 生活に対する素朴な感想を感じ取れるエッセイばかりだった。読後感は静かながら豊かで、それはエッセイは振り返りでしか書けないものなのか、それか各所に現れる本の引用のためか、それか挿絵のつくみずのせいなのか。祖母がぬいぐるみに話しかける回と謎の生き物むいの回がとてもよかった。 …続きを読む
    よいおいこらしょ
    2025年01月25日
    3人がナイス!しています
  • 日曜日にポムポムプリンを投げてるツイッタラーの本。エッセイと幻想文学と冗談を足して3で割った結果、エッセイと幻想文学の部分にも冗談が多過ぎて結局冗談みたいな内容。ところどころ素敵なユーモアの言い回しは 日曜日にポムポムプリンを投げてるツイッタラーの本。エッセイと幻想文学と冗談を足して3で割った結果、エッセイと幻想文学の部分にも冗談が多過ぎて結局冗談みたいな内容。ところどころ素敵なユーモアの言い回しはあれど、どこまで行ってもXでウケる雰囲気のポストの繰り返し、もしくは引き伸ばしみたいな文章がずっと続くので、申し訳ないが特に後半は眠くなる読み心地だった。ゆるっと本読みたい人におすすめ。 …続きを読む
    🦀
    2025年02月23日
    2人がナイス!しています

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