熟柿

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2025年03月27日
判型:
四六変形判
ページ数:
368
ISBN:
9784041146590

熟柿

  • 著者 佐藤 正午
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2025年03月27日
判型:
四六変形判
ページ数:
368
ISBN:
9784041146590

取り返しのつかないあの夜の過ちが、あったはずの平凡な人生を奪い去った。

激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。 激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「熟柿」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 『鳩撃』以降の作品に見られた、視点の交錯や時系列の転倒もなくて、今回はシンプルな構成だ。しかし主人公の心情に沿った描写と語りの巧緻さはやはり正午さんの小説ならではだと思わせる。いつもと同様、芳醇な物語 『鳩撃』以降の作品に見られた、視点の交錯や時系列の転倒もなくて、今回はシンプルな構成だ。しかし主人公の心情に沿った描写と語りの巧緻さはやはり正午さんの小説ならではだと思わせる。いつもと同様、芳醇な物語を読む喜びをたっぷりと味わった。 …続きを読む
    まこみや
    2025年04月13日
    42人がナイス!しています
  • 昨年1月に出版された『冬に子供が生まれる』から1年ちょっと。ずいぶんペースが早いなと思ったら、2011年頃に冒頭だけ書いていた原稿を書き直し、2016年から1年に1度の連載を経て刊行された作品らしい。つまり連載開 昨年1月に出版された『冬に子供が生まれる』から1年ちょっと。ずいぶんペースが早いなと思ったら、2011年頃に冒頭だけ書いていた原稿を書き直し、2016年から1年に1度の連載を経て刊行された作品らしい。つまり連載開始からでも8年かかっているわけだ。2008年から始まり2025年まで続く物語は、主人公かおりの流転の日々を丁寧に描いた作品だ。あまりにも不器用な彼女にもどかしさも覚えるが、そんな心理状態に追い込まれてしまった人間の生きづらさやかすかな希望が胸を打つ。佐藤さんにしては珍しくド直球の小説だった。 …続きを読む
    ぽてち
    2025年04月10日
    31人がナイス!しています
  • 刊行まで8年、まさにこの作品自体が熟柿のよう。読んでることを忘れるぐらいのめり読み、面白かった。息子に人目でも会いたい心情は痛いぐらいにわかるが、自分が轢き殺した老女を「柿を抱いたおばあちゃん」ぐらい 刊行まで8年、まさにこの作品自体が熟柿のよう。読んでることを忘れるぐらいのめり読み、面白かった。息子に人目でも会いたい心情は痛いぐらいにわかるが、自分が轢き殺した老女を「柿を抱いたおばあちゃん」ぐらいの認識で贖罪の気持ちがない(刑期を終えているけど)のが残念な気持ち。気長に時機を待つなんて、せっかちの私には難しくて何かと失敗している・・・。 …続きを読む
    さこぽん
    2025年04月15日
    30人がナイス!しています

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