塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2023年03月10日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
248
ISBN:
9784040824703
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塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

  • 著 猪熊 律子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2023年03月10日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
248
ISBN:
9784040824703

急増する高齢女性受刑者。受刑者、刑務官ほか膨大な取材から描く迫真ルポ。

高齢女性受刑者の割合、30余年で10倍に――。罪名の9割は「窃盗」。
お金があっても盗る。出所しても何度も刑務所に戻る。人生の集大成と言える時期を刑務所で過ごす高齢女性らの本音と服役の実態とは?
社会保障問題を追い続けてきたジャーナリストが迫る。

――刑務所に新規に入る受刑者数(男女計)は最近大きく減少しているものの、受刑者全体に占める女性受刑者の割合は戦後から増え続け、今や1割。
中でも伸びが著しいのが65歳以上の女性だ。今では女性受刑者全体の約2割を占める。これは男性受刑者における男性高齢受刑者の割合(約12%)と比べても高い。
(中略)女性の犯罪は「覚醒剤取締法違反」と「窃盗」の二つで8割以上を占める。
これらの罪を犯す受刑者は「これが三度目」「五度目」など、累犯が多い。何度も罪を犯し、繰り返し刑務所に来ることを、現場では「負の回転扉」と呼ぶと聞いた。
実刑を受け、刑務所に来る前には罰金刑や執行猶予など、いくつもの段階があったはずである。それでも繰り返し罪を犯し、「負の回転扉」にはまってしまう女性が多いのは、一体、なぜなのだろう?
(本書「はじめに」より)

本書では高齢女性受刑者の増加を切り口に、「塀の外」が抱える問題や課題をあぶり出す。
さまざまなデータや刑務所の実態のリポートに加え、受刑者たちの生々しい声も収録する。
・70代、入所七度目「トマトやキュウリ1本ぐらいでここに来ちゃった」
・80代、入所三度目「時間が余り過ぎていて、孤独が中心にあった」
・60代、累犯「刑務所は来るとこじゃない。人生を無駄にするところ」
・70代、入所五度目「家族がおらん人は、ここが恋しうなると違うかな」
高齢女性受刑者の割合、30余年で10倍に――。罪名の9割は「窃盗」。
お金があっても盗る。出所しても何度も刑務所に戻る。人生の集大成と言える時期を刑務所で過ごす高齢女性らの本音と服役の実態とは?
社会保障問題を追い続けてきたジャーナリストが迫る。

――刑務所に新規に入る受刑者数(男女計)は最近大きく減少しているものの、受刑者全体に占める女性受刑者の割合は戦後から増え続け、今や1割。
中でも伸びが著しいのが65歳以上の女性だ。今では女性受刑者全体の約2割を占める。これは男性受刑者における男性高齢受刑者の割合(約12%)と比べても高い。
(中略)女性の犯罪は「覚醒剤取締法違反」と「窃盗」の二つで8割以上を占める。
これらの罪を犯す受刑者は「これが三度目」「五度目」など、累犯が多い。何度も罪を犯し、繰り返し刑務所に来ることを、現場では「負の回転扉」と呼ぶと聞いた。
実刑を受け、刑務所に来る前には罰金刑や執行猶予など、いくつもの段階があったはずである。それでも繰り返し罪を犯し、「負の回転扉」にはまってしまう女性が多いのは、一体、なぜなのだろう?
(本書「はじめに」より)

本書では高齢女性受刑者の増加を切り口に、「塀の外」が抱える問題や課題をあぶり出す。
さまざまなデータや刑務所の実態のリポートに加え、受刑者たちの生々しい声も収録する。
・70代、入所七度目「トマトやキュウリ1本ぐらいでここに来ちゃった」
・80代、入所三度目「時間が余り過ぎていて、孤独が中心にあった」
・60代、累犯「刑務所は来るとこじゃない。人生を無駄にするところ」
・70代、入所五度目「家族がおらん人は、ここが恋しうなると違うかな」

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

はじめに――女性たちはなぜ塀の中へ
序章 女性刑務所の実態
第1章 塀の中のおばあさん
第2章 摂食障害に苦しむ女性たち
第3章 覚醒剤にはまる女性たち
第4章 刑務所を支える人々
第5章 「外」と「中」を隔てるもの――塀を低くする試み
終章 「塀の中のおばあさん」はなくせるか――塀の内側から考える社会保障
おわりに――負の回転扉をなくすには

「塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • タイトルにはおばあさんという言葉が使われていたが内容は女性全般に及ぶ。男性の入所は減少しているという。要因には暴力団員自体が減ってきていることもあるらしい。逆に女性の犯罪率は増えてきている。殆どが窃盗 タイトルにはおばあさんという言葉が使われていたが内容は女性全般に及ぶ。男性の入所は減少しているという。要因には暴力団員自体が減ってきていることもあるらしい。逆に女性の犯罪率は増えてきている。殆どが窃盗と覚醒剤、その背景にはDVや貧困。中には拒食症の女性が吐き戻すための食品を買うための金欲しさによる万引きや、ストレス解消やダイエットと勧められやがて覚醒剤の闇に落ち込むことが多いとも書かれていた。女性受刑者にも高齢化が進み受刑者が介護することが増加。覚醒剤の問題については出所してからのケアが重要だ。 …続きを読む
    kinkin
    2024年10月02日
    88人がナイス!しています
  • かねてから、万引きによる老人の犯罪は報道されていて、刑務所に入っていた方が、幸せなんだと言うことも見聞きしてきました。その是非はともかくとして、この著書で語られてることは、日本が、根本的に真剣に取り組 かねてから、万引きによる老人の犯罪は報道されていて、刑務所に入っていた方が、幸せなんだと言うことも見聞きしてきました。その是非はともかくとして、この著書で語られてることは、日本が、根本的に真剣に取り組まなかったツケのように感じました。受刑者の方も若い頃に、もっと教えてもらっていたらとの発言もあり、切実に感じます。 …続きを読む
    fwhd8325
    2023年05月31日
    76人がナイス!しています
  • 2019年1月から読売新聞連載を加筆・編集。受刑者における高齢(65歳以上)女性の割合が増え続けているという。女性受刑者の約2割をしめ、そのうちの9割が窃盗だという。タイトルには「おばあさん」とあるが、女性刑務 2019年1月から読売新聞連載を加筆・編集。受刑者における高齢(65歳以上)女性の割合が増え続けているという。女性受刑者の約2割をしめ、そのうちの9割が窃盗だという。タイトルには「おばあさん」とあるが、女性刑務所を取材したルポ。摂食障害の治療、薬物依存離脱指導、刑務所内ハローワークなどの実態。刑務官、矯正医官の声もある。2022年6月、改正刑法が成立、作業目的が懲罰・懲らしめから立ち直り・更生に比重がうつった。(あらすじ) …続きを読む
    ナミのママ
    2023年05月19日
    65人がナイス!しています

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