一生に一度きりの「物語り」をつづけましょう。
百物語なんかしていると、この世の業を集めますよ――。江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に、聞き手も一人。主人の次男・富次郎が聞いた話はけっして外には漏らさない。少年時代を木賃宿で過ごした老人が三島屋を訪れた。迷える魂の水先案内を務める不思議な水夫に出会ったことがあるという――。三島屋に嬉しい報せも舞い込み、ますます目が離せない宮部みゆき流の江戸怪談。
百物語なんかしていると、この世の業を集めますよ――。江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に、聞き手も一人。主人の次男・富次郎が聞いた話はけっして外には漏らさない。少年時代を木賃宿で過ごした老人が三島屋を訪れた。迷える魂の水先案内を務める不思議な水夫に出会ったことがあるという――。三島屋に嬉しい報せも舞い込み、ますます目が離せない宮部みゆき流の江戸怪談。
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
もくじ
第一話 火焔太鼓
第二話 一途の念
第三話 魂手形
解説 東 雅夫
魂手形 三島屋変調百物語七之続 が含まれている特集
「魂手形 三島屋変調百物語七之続」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です
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このシリーズは「江戸怪談」で「変わり百物語」である。普通の百物語と違う所は、語り手一人、聞く相手も一人。聞いた話はけっして外に漏らさない所。不思議な体験をした者、怖い思い出を持っている者などが、神田袋
このシリーズは「江戸怪談」で「変わり百物語」である。普通の百物語と違う所は、語り手一人、聞く相手も一人。聞いた話はけっして外に漏らさない所。不思議な体験をした者、怖い思い出を持っている者などが、神田袋物屋「三島屋」の応接間でお茶とお菓子を頂きながら、体験を吐き出して帰っていく。私は怖がりなので、普段「怪談」など読まないようにしているが、宮部さんのこのシリーズは本当に良い。背筋がぞくっとしても、そこにホロリとする要素があったり、少しのユーモアがあったりで、怖がりの人にも勧めたいシリーズなのである。
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97人がナイス!しています
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三島屋シリーズ第七弾。短編三編。今回は人の感情、業が非常に生々しかった。それだけに読んでいて引き込まれ一気読みとなる。「火焔太鼓」は人の欲と業。人が手に入れた奇跡的な力。その力は弱り消えることが分かる
三島屋シリーズ第七弾。短編三編。今回は人の感情、業が非常に生々しかった。それだけに読んでいて引き込まれ一気読みとなる。「火焔太鼓」は人の欲と業。人が手に入れた奇跡的な力。その力は弱り消えることが分かる。力を継続させる為に取った方法は。「一途の念」も欲と業か。夫の病と奉公先の変貌。妻のやむを得ない選択と結果。養家の義弟の人でなしさが強烈な印象を残す。「魂手形」は因果と人の気持ちの残酷さ、哀しさか。魂が彷徨う。そこには悔いや恨みがあるから。何が正解か分からぬが因果は回る。最期は不穏な夢。安定の面白さがある。
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白内障緑内障手術記念読書。単に入院のお供に読んだのだが、半年ほど積ん読だった。今回は思ったほど怖い話は少なく、どちらかというと忠義や愛憎など家族に絡んだ話が怪異を上回っていたような気もする。話の主人公
白内障緑内障手術記念読書。単に入院のお供に読んだのだが、半年ほど積ん読だった。今回は思ったほど怖い話は少なく、どちらかというと忠義や愛憎など家族に絡んだ話が怪異を上回っていたような気もする。話の主人公達が若いせいかもしれない。子供として兄弟として周囲を見ている、その視線や思いが怪異の造作を上回っているような気がするのだ。それにしても、人がぬしさまになり、人が人をなぶり、人が人ならぬ者に化ける。本当に恐ろしいのは怪異では無く人のありよう生き様そのものだと思い知らされる。報われぬ生の行き所はどこなのか。
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