WALL

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2023年04月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
432
ISBN:
9784041133194
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WALL

  • 著者 周木 律
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2023年04月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
432
ISBN:
9784041133194

この巨大な壁は何? 人々を消失させる恐怖のWALLから逃げられるのか?

202X年のある夏の日、シコタン島(色丹島)の墓地で祈りを捧げていた ロシア人老夫婦が、丘の上から半透明のヴェールが近づいていることに気づく。不思議に思った二人が手をつないだままその壁に触れたとき、彼らの腕は「消去」した――。触れた人間の肉体のみが消去される「ウォール」と名付けられたこの巨大な壁は、1日に20km程度という遅さながら、やがて北海道に上陸、本州も射程に、徐々に西へと、人々を飲み込んでいく。本土上陸から首都圏到達まで1か月ほどしか猶予はない。真実とデマが入り混じりながら拡散され、日本はパニックに包まれていく。「ウォール」が暗示するものは、人類を奈落に突き落とす自然災害や疫病であり、経済格差によって人々を「分断」するものであり、無慈悲な「神の制裁」であり、極めて「平等な存在」である。唐突に出現したこの得体のしれない凶器に、人間は科学と人智をもって対峙しなくてはいけない。善悪を問わず本性をむき出しにする人間たちをあざ笑うかのような「WALL」。果たして結末は――。著者渾身の書き下ろし。一気読みのパニックSFミステリー。 202X年のある夏の日、シコタン島(色丹島)の墓地で祈りを捧げていた ロシア人老夫婦が、丘の上から半透明のヴェールが近づいていることに気づく。不思議に思った二人が手をつないだままその壁に触れたとき、彼らの腕は「消去」した――。触れた人間の肉体のみが消去される「ウォール」と名付けられたこの巨大な壁は、1日に20km程度という遅さながら、やがて北海道に上陸、本州も射程に、徐々に西へと、人々を飲み込んでいく。本土上陸から首都圏到達まで1か月ほどしか猶予はない。真実とデマが入り混じりながら拡散され、日本はパニックに包まれていく。「ウォール」が暗示するものは、人類を奈落に突き落とす自然災害や疫病であり、経済格差によって人々を「分断」するものであり、無慈悲な「神の制裁」であり、極めて「平等な存在」である。唐突に出現したこの得体のしれない凶器に、人間は科学と人智をもって対峙しなくてはいけない。善悪を問わず本性をむき出しにする人間たちをあざ笑うかのような「WALL」。果たして結末は――。著者渾身の書き下ろし。一気読みのパニックSFミステリー。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

目次
七月七日 
プロローグ
七月九日
七月一一日
七月一三日
七月一四日
七月一六日
七月一七日
七月二〇日
七月二三日
七月二五日
七月二八日
七月三〇日
八月一日
八月四日
八月六日
八月七日
八月一一日
八月一四日
八月一七日
八月二〇日
九月二四日
エピローグ
解説 杉江松恋

「WALL」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 著者の本格ミステリではない作品をはじめて手にとった。ガチガチの理系の人ならではの、説得力があるように感じさせるSF設定は斬新で楽しく読めた。それぞれの境遇でWALLと対峙する各主要人物の役割もハッキリしてい 著者の本格ミステリではない作品をはじめて手にとった。ガチガチの理系の人ならではの、説得力があるように感じさせるSF設定は斬新で楽しく読めた。それぞれの境遇でWALLと対峙する各主要人物の役割もハッキリしていて読みごたえがあった。しかし、最初に組織された分科会があまりにも物語の都合で愚鈍な点と、結末の持っていき方が微妙だったことが、どうしても目立ってしまい、評価を下げる。あそこまで書いたならば、人間の知恵でWALLを消滅させて欲しかったし、そうでなければ、匂わせのような描き方をしないで欲しかった。 …続きを読む
    W-G
    2023年04月29日
    250人がナイス!しています
  • ★★★✮✩作者お得意のパニック小説。ある日忽然と現れた謎の壁。見た目はシャボン玉の被膜の様だが触れた人間だけを瞬時に消し去る。色丹に発生した壁は0.8km/hで西へ進む。対策本部に召喚された素粒子物理学者、出張先 ★★★✮✩作者お得意のパニック小説。ある日忽然と現れた謎の壁。見た目はシャボン玉の被膜の様だが触れた人間だけを瞬時に消し去る。色丹に発生した壁は0.8km/hで西へ進む。対策本部に召喚された素粒子物理学者、出張先の帯広から娘の待つ神戸に向かう技術者、福島原発での全てを記録しようとする新聞記者。複数の視点で全体の俯瞰も現場の混乱も、誇り高い人間も醜い人間も等分に描く。コロナにしろWALLにしろ現象は選択的に発生するのではない。圧倒的な物の前で人間は逃げるしかできない無力な存在と化す。説明はできない。 …続きを読む
    rosetta
    2023年05月23日
    36人がナイス!しています
  • 北方四島の色丹島で突然消滅した二人の老夫婦。人智を遥かに凌駕した光の壁「WALL」に触れた人間は瞬時に蒸発していく。人間以外の生き物、物体には何の影響も及ばさないWALLは、時速0.8kmで西進し日本本土に近づい 北方四島の色丹島で突然消滅した二人の老夫婦。人智を遥かに凌駕した光の壁「WALL」に触れた人間は瞬時に蒸発していく。人間以外の生き物、物体には何の影響も及ばさないWALLは、時速0.8kmで西進し日本本土に近づいて行く。更に大地震が発生。各地の原発も被害を受け日本は絶体絶命の大ピンチに。官僚組織の縦割りの弊害、科学者のエゴと楽観主義、新聞記者、原発で働く人達の使命感、窮地に陥った人間の醜さ、希望等が同時並行で描かれ、パニック小説好きにはたまらない作品だった。ただ結末に一言。最後に突然○○○はガッカリした。 …続きを読む
    ま~くん
    2023年05月20日
    34人がナイス!しています

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