荒城に白百合ありて

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年11月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
448
ISBN:
9784041130063
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荒城に白百合ありて

  • 著者 須賀 しのぶ
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年11月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
448
ISBN:
9784041130063

この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。

森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。
薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。
しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。
手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。
――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。

薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。
そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。
「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。
それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。

この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。
稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。
薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。
しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。
手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。
――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。

薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。
そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。
「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。
それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。

この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。
稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ


第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
解説 吉田大助

「荒城に白百合ありて」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 幕末という時代が不得意なので、最初は読むのにためらいがあったが、主人公の鏡子の魅力に後押しされて進んでゆけた。最後の鮮烈さに、そののち長く余韻が残るくらいの衝撃を受けた。幕末の世で出会うべくして出会っ 幕末という時代が不得意なので、最初は読むのにためらいがあったが、主人公の鏡子の魅力に後押しされて進んでゆけた。最後の鮮烈さに、そののち長く余韻が残るくらいの衝撃を受けた。幕末の世で出会うべくして出会ったふたり。ついつい、ほかの時代に生きていたならどうだったろうと考えてしまう。そして須賀さんの扱う題材の幅広さよ。 …続きを読む
    佐島楓
    2022年12月03日
    69人がナイス!しています
  • 切なくなってしまいました。心が空虚な鏡子と、ただひとりその想いを理解できる伊織の出会いにじんわりきてしまいました。会津と薩摩。『ロミオとジュリエット』を連想しますね。ラスト1行まで引きつけられます。面 切なくなってしまいました。心が空虚な鏡子と、ただひとりその想いを理解できる伊織の出会いにじんわりきてしまいました。会津と薩摩。『ロミオとジュリエット』を連想しますね。ラスト1行まで引きつけられます。面白かったです。 …続きを読む
    優希
    2023年03月17日
    50人がナイス!しています
  • いまいち最後まで入り込めなかった。須賀さんの他の作品が良く期待しすぎたのもあるが。表紙が好みではなかったり、細かいところで乗り切れなかった。幕末の会津藩の鏡子と、薩摩藩の伊織となるとそれだけで悲恋物語 いまいち最後まで入り込めなかった。須賀さんの他の作品が良く期待しすぎたのもあるが。表紙が好みではなかったり、細かいところで乗り切れなかった。幕末の会津藩の鏡子と、薩摩藩の伊織となるとそれだけで悲恋物語過ぎるところ、二人がともに空虚な理由がぼんやりとしていて共感まで至らず。ところどころでファンタジーなのか歴史小説なのか良くわからなくなるところがあった。 …続きを読む
    まーみーよー
    2024年05月15日
    22人がナイス!しています

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