虚魚
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
これはひとつの怪談であると同時に怪談をめぐる物語。不思議な透明感をたたえ、美しく、しんと怖い。
――小野不由美氏
巧みな文章。過不足のない描写。主人公を取り巻く人間関係の、べたべたしすぎない距離感も心地好い。ストーリーの組み立てにはミステリの手法も効果的に導入されている。一か所を深掘りしすぎずに話を前進させるテンポの良さが美点である一方、要所要所で「怖さ」のフックも効いている。この手の物語で最もむずかしい着地の形も非常にきれいで、ラストの何ページかで僕は感動すら覚えた。——総じて、実に見事な作品である。
――綾辻行人氏
怪談をモチーフにしたミステリであり、ミステリとして読める怪談にもなっている(中略)キャラクターの造形や無駄のないすっきりとした構成もよく、本賞はとてもいい魚を釣り上げた。
――有栖川有栖氏
著者の中にある「怪談を語る・追う」姿勢の誠実さと相当の覚悟を感じ、胸が熱くなった。(中略)怪談と怪異を巡る新たな小説の形が一緒に解き放たれた、と感じた。文句なしの大賞。
――辻村深月氏