吸血鬼

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784041117804
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吸血鬼

  • 著者 佐藤 亜紀
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784041117804

暗闇を照らす光は、 革命か、文学の力か。

1845年、オーストリア帝国の支配下にあるポーランド。寒村ジェキに赴任した役人ゲスラーは、若き妻を伴い陰鬱な地にやってきた。かつて文学青年だった彼は、愛国詩人でもある領主との交流を心待ちにしていたのだ。だがその矢先、村で次々に不審な死が発生し、人々は土俗的な迷信に怯え始める――独立蜂起の火種が燻る空気の中、人間の本質と恐怖の根源を炙り出す、恐ろしくも美しい物語。皆川博子氏と作者による解説を収録。
1845年、オーストリア帝国の支配下にあるポーランド。寒村ジェキに赴任した役人ゲスラーは、若き妻を伴い陰鬱な地にやってきた。かつて文学青年だった彼は、愛国詩人でもある領主との交流を心待ちにしていたのだ。だがその矢先、村で次々に不審な死が発生し、人々は土俗的な迷信に怯え始める――独立蜂起の火種が燻る空気の中、人間の本質と恐怖の根源を炙り出す、恐ろしくも美しい物語。皆川博子氏と作者による解説を収録。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

吸血鬼
解説(作者と共に) 皆川博子

「吸血鬼」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 19世紀半ば、ポーランドの辺境ガリチアの地がこの物語の舞台である。佐藤亜紀が得意とする西欧の歴史を題材とした、一種の稗史小説である。西欧史の断面を語るなら、フランス革命とかナポレオン戦役にすればよさそう 19世紀半ば、ポーランドの辺境ガリチアの地がこの物語の舞台である。佐藤亜紀が得意とする西欧の歴史を題材とした、一種の稗史小説である。西欧史の断面を語るなら、フランス革命とかナポレオン戦役にすればよさそうなものだが、佐藤亜紀はあえてこんな地を選ぶ。作家的慧眼だろう。オーストリア帝国の代理人として精一杯の善政であろうとする、ゲスラー夫妻の善良。ポーランドの士族にして詩人のクワルスキの夢想。そしてルテニア・カトリック司祭の正統。彼らは皆等しく村人たちの前には余所者でしかない。そのあくまでも頑健な村人たち。⇒ …続きを読む
    ヴェネツィア
    2024年06月06日
    296人がナイス!しています
  • 16世紀末~17世紀の東欧は貧困であった。ルネサンスの啓蒙思想に縁を持たない文盲農民、そのうえ異端審問を行わない宗教的な理由からも吸血鬼信仰が根付いた。そうした背景をもとに組み立てられたパワーバランス 16世紀末~17世紀の東欧は貧困であった。ルネサンスの啓蒙思想に縁を持たない文盲農民、そのうえ異端審問を行わない宗教的な理由からも吸血鬼信仰が根付いた。そうした背景をもとに組み立てられたパワーバランスの物語だと感じた。領主の力、役人の力、農奴の力、夫の力、妻の力、迷信の力、宗教の力、そしてかそけきは詩の力、理知的に執り行われる迷信に満ちた儀式の所詮は気休めで、現実の災禍は現実に訪れる。郷に入って郷に従えば正気の儘、狂気に堕ちていくが、最後は領主の青臭いアジテーションを農奴の損得をわきまえた正論が撃ち破る。 …続きを読む
    sin
    2022年09月01日
    71人がナイス!しています
  • 久しぶりの佐藤作品(でも実は再読^^)前回は単行本で読了、今回は文庫本で😉 《オーストリア帝国の支配下にあるポーランドで繰り広げられる、人間の本質と恐怖の根源を炙り出す恐ろしくも美しい物語》しばらくご無 久しぶりの佐藤作品(でも実は再読^^)前回は単行本で読了、今回は文庫本で😉 《オーストリア帝国の支配下にあるポーランドで繰り広げられる、人間の本質と恐怖の根源を炙り出す恐ろしくも美しい物語》しばらくご無沙汰していた亜紀ワールド、硬質な文体でありながらもユーモア感じる話運びにグイグイと惹き寄せられ最後まで一気に読了。博覧強記な佐藤さんならではの世界観が素晴らしい✨『バルタザールの遍歴』や『ミノタウロス』同様、何度でも読み返したくなる作品です。 …続きを読む
    コーデ21
    2024年01月07日
    28人がナイス!しています

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