喜べ、幸いなる魂よ

第74回読売文学賞小説賞受賞

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年03月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
320
ISBN:
9784041114865

第74回読売文学賞小説賞受賞

喜べ、幸いなる魂よ

  • 著者 佐藤 亜紀
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年03月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
320
ISBN:
9784041114865

不自由な時代を軽やかに駆け抜ける! 第74回読売文学賞受賞作

【第74回読売文学賞(小説賞)受賞作】18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。
【第74回読売文学賞(小説賞)受賞作】18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「喜べ、幸いなる魂よ」感想・レビュー
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  • ニコ動の直木賞発表中継で豊崎由美と杉江松恋が「候補作にしなかった文春に抗議デモをしよう」と呼びかけていた。宗教と因襲と圧制下にある18世紀後期ベルギーの商人階層を舞台に、恋愛と親子関係と知識人のあり方と ニコ動の直木賞発表中継で豊崎由美と杉江松恋が「候補作にしなかった文春に抗議デモをしよう」と呼びかけていた。宗教と因襲と圧制下にある18世紀後期ベルギーの商人階層を舞台に、恋愛と親子関係と知識人のあり方と女性差別などを盛り込んだドラマが展開する。英雄も王侯貴族も出ず、最後にフランス革命の影響が及ぶまで大事件も起こらないが、生まれた時代と土地で懸命に生きねばならない庶民の息遣いが聞こえてくる。現代にも通じる問題性と社会性に満ちた重厚な歴史小説であり、確かに直木賞候補に選ばれなかったのは大きな取りこぼしだろう。 …続きを読む
    パトラッシュ
    2022年08月09日
    182人がナイス!しています
  • 18世紀のベルギーフランドル地方で亜麻を扱う商家の双子姉ヤネケと弟テオ。そこに1才年上の養子ヤンがやって来る。ヤネケはヤンの子を産み、生涯独身の女だけが暮らす「ベギン会」に移る。天才でありエゴイストのヤ 18世紀のベルギーフランドル地方で亜麻を扱う商家の双子姉ヤネケと弟テオ。そこに1才年上の養子ヤンがやって来る。ヤネケはヤンの子を産み、生涯独身の女だけが暮らす「ベギン会」に移る。天才でありエゴイストのヤネケはヤンの名で経済学などの本を出す。当時の女は大学に行くこともましてや論文を発表することはできなかった。男にも、物にも、情も何もわかないヤネケ、次々と妻をめとり子をなしながらもずっとヤネケを思い続けるヤン。そしてフランス革命がこの地にもしのびより彼らを巻き込んでいく。その美しく流れる文章に引き込まれる。 …続きを読む
    モルク
    2022年05月03日
    118人がナイス!しています
  • 18世紀ベルギー、フランドル地方。亜麻糸を商う家の養子となるヤンとその家の娘ヤネケとの絆の物語。ヤネケはヤンとの子レオを出産するも、女性が単身で自立的生活を営む共同体べギン会へ。対照的に家庭を築きたいヤ 18世紀ベルギー、フランドル地方。亜麻糸を商う家の養子となるヤンとその家の娘ヤネケとの絆の物語。ヤネケはヤンとの子レオを出産するも、女性が単身で自立的生活を営む共同体べギン会へ。対照的に家庭を築きたいヤンはレオを引き取り、俗世間の煩わしさの中で哀しみや苦難を乗り越え…。聡明で知的探究心の赴くまま研究に専念するヤネケの姿勢。「人でなし」と言われる彼女を想い続けるヤンの葛藤と人間味。革命の波が押し寄せる中、2人は怯まず自分達らしく未来へと駆け抜けるのだろう。寄り添う笑顔は麗かで心はどこまでも離れることなく。 …続きを読む
    アン
    2022年05月05日
    112人がナイス!しています

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