災害とたたかう大名たち

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2021年04月23日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784047037083
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災害とたたかう大名たち

  • 著者 藤田 達生
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2021年04月23日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784047037083

危機を乗切る政治手腕。藩の自立から雄藩の出現へ、時代の転換を読み解く!

地震・火事・水害・干魃・疫病……度重なる危機に大名たちはどう立ち向かったのか。幕府安定化に尽力した外様大藩・藤堂藩の記録を中心に、対応を読み解く。見えてきたのは、時に重い租税を課しながらも、有事には財政を傾けてまで行われる迅速な支援だった。藩主と領民との間に醸成された信頼関係は、財政強化による藩の自立の原動力となり、雄藩の登場によって、幕藩体制は終焉へと至る――時代の転換を読み解く、新視点!



【目次】

はじめに──災害からなにを学ぶか

第一部 行政としての災害復興

第一章 領民を救う藩
 1 安政大地震の直撃
 2 藩庫を傾けた復旧策
 3 藩経営の暗黙知

第二章 戦災からの復興
 1 中世の大災害
 2 復興と開発の時代
 3 藩の危機管理

第三章 藩公儀の誕生
 1 人工の町と村
 2 町の復旧
 3 村の復旧
 4 藩行政を支えた群像

第二部 災害が歴史を動かす

第四章 責務としての災害復旧
 1 天下人の思想
 2 藩の思想
 3 前期明君の登場

第五章 災害と藩の自立
 1 「国家」と「国民」の時代 
 2 災害が突きつけた難題
 3 後期明君の限界
 4 預治思想の終焉

むすび──流動化する国家 

参考文献
地震・火事・水害・干魃・疫病……度重なる危機に大名たちはどう立ち向かったのか。幕府安定化に尽力した外様大藩・藤堂藩の記録を中心に、対応を読み解く。見えてきたのは、時に重い租税を課しながらも、有事には財政を傾けてまで行われる迅速な支援だった。藩主と領民との間に醸成された信頼関係は、財政強化による藩の自立の原動力となり、雄藩の登場によって、幕藩体制は終焉へと至る――時代の転換を読み解く、新視点!



【目次】

はじめに──災害からなにを学ぶか

第一部 行政としての災害復興

第一章 領民を救う藩
 1 安政大地震の直撃
 2 藩庫を傾けた復旧策
 3 藩経営の暗黙知

第二章 戦災からの復興
 1 中世の大災害
 2 復興と開発の時代
 3 藩の危機管理

第三章 藩公儀の誕生
 1 人工の町と村
 2 町の復旧
 3 村の復旧
 4 藩行政を支えた群像

第二部 災害が歴史を動かす

第四章 責務としての災害復旧
 1 天下人の思想
 2 藩の思想
 3 前期明君の登場

第五章 災害と藩の自立
 1 「国家」と「国民」の時代 
 2 災害が突きつけた難題
 3 後期明君の限界
 4 預治思想の終焉

むすび──流動化する国家 

参考文献

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

 はじめに──災害からなにを学ぶか
   災害学への期待/国家と災害/藩主と領民の絆 など

第一部 行政としての災害復興

第一章 領民を救う藩
 1 安政大地震の直撃
    将軍のお膝元の大地震/直下型大地震の来襲/地震直後の対応/城下町の被害届 など
 2 藩庫を傾けた復旧策
    提示された救済額/下行額の決定/現代の金額に換算すると
 3 藩経営の暗黙知
    大施餓鬼による鎮魂/様々な疫病対策/災害と公共機能 など

第二章 戦災からの復興
 1 中世の大災害
    寛正大飢饉/明応大地震/民衆自治の限界/戦国大名の災害対策
 2 復興と開発の時代
    城郭の大改修/近世城下町の建設/防災・減災の配慮 など
 3 藩の危機管理
    近世城下町の第一世代/城下町の防火規定/藩祖を祀る城下町祭礼 など

第三章 藩公儀の誕生
 1 人工の町と村
    町と村の分離の意味/復興拠点としての城下町/郷村の復興 など
 2 町の復旧
    相次ぐ火事/城下町の復旧/藩が管理する近世都市 など
 3 村の復旧
    百姓家屋の再建/領民生活の丸抱え/「公田」の思想 など
 4 藩行政を支えた群像
    寛永大飢饉/防災・減災の時代/神になった名奉行/賢宰の時代

第二部 災害が歴史を動かす

第四章 責務としての災害復旧
 1 天下人の思想
    預治思想と災害復旧/近世都城と税制/幕藩官僚制とは何か など
 2 藩の思想
    高虎の統治思想/百姓成り立ち/藩構造の根幹をつくる など
 3 前期明君の登場
    藩主と「国民」/郷士制採用の意義/農業を支える「国家」 など

第五章 災害と藩の自立
 1 「国家」と「国民」の時代 
    「御国」への貢献/「国土まさかの時」/藩行政の深化 など
 2 災害が突きつけた難題
    災害がもたらしたもの/浅間山大噴火/藩自立化への動き
 3 後期明君の限界
    藩政改革と明君/寛政一揆の勃発/藩政改革の矛盾 など
 4 預治思想の終焉
    幕藩体制の危機/大政委任論の台頭/「天」とはなにか など

 むすび──流動化する国家 
    災害と藩「国家」/御救いとはなにか/幕末を招いた災害連鎖 など

 参考文献

「災害とたたかう大名たち」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 災害時に国や自治体が支援するのは当然だが、そうした危機管理が民政として広まったのは江戸期にあることを伊勢藤堂藩の事例を通じて解明する。領地領民を守り藩主との信頼関係を構築することこそ、支配の安定化に不 災害時に国や自治体が支援するのは当然だが、そうした危機管理が民政として広まったのは江戸期にあることを伊勢藤堂藩の事例を通じて解明する。領地領民を守り藩主との信頼関係を構築することこそ、支配の安定化に不可欠と武士が認識したからだ。しかし、天災や疫病に苦しむ人びとを助けるのに金がかかるのは今も昔も変わらない。藩だけではやっていけないと幕府に助けを求めるが、災害が続くと幕府も無限に支援できない。結果、各藩は生き延びるため自立を進め幕末を招いたのだ。コロナ禍の現在、災害から民を守れないと見切られた国は滅びるのか。 …続きを読む
    パトラッシュ
    2021年06月18日
    62人がナイス!しています
  • 最初に描かれている藤堂藩の災害対策は、正直あまり面白くなかった。だが、国土領有権を将軍より拝領しているという「預地思想」や、藩という存在はなにかが語られる辺りから面白くなる。伊達や島津のように国替えに 最初に描かれている藤堂藩の災害対策は、正直あまり面白くなかった。だが、国土領有権を将軍より拝領しているという「預地思想」や、藩という存在はなにかが語られる辺りから面白くなる。伊達や島津のように国替えにならなかった大名も、将軍交代ごとに領地を返却し拝領されていた。いわば地方行政官僚か国司のような存在にすぎなかった。昔から伊達藩と言わず仙台藩と呼んでいたのが不思議だったけど、これで納得。自分の領地でないから伊達という家名で呼べるはずもなく、地名が藩名になるのも道理だな。 …続きを読む
    鮫島英一
    2021年12月26日
    10人がナイス!しています
  • 藤堂藩を代表例に、災害被災者救済に動く大名を描く。預治思想として領地領民を私物ではなく、委託を受けた統治者として治める思想が江戸時代に形成されたことを背景にしている。感染症流行下での対策として、世情の 藤堂藩を代表例に、災害被災者救済に動く大名を描く。預治思想として領地領民を私物ではなく、委託を受けた統治者として治める思想が江戸時代に形成されたことを背景にしている。感染症流行下での対策として、世情の不穏を防ぐために練歩き(パレード)が行われたのは面白い。 …続きを読む
    Meistersinger
    2021年07月12日
    4人がナイス!しています

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