翡翠色の海へうたう

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2021年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
240
ISBN:
9784041110799

翡翠色の海へうたう

  • 著者 深沢 潮
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2021年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
240
ISBN:
9784041110799

国も、時代も、性別も、そのすべての境界を越えてゆけ――深沢潮、渾身作!

派遣社員、彼氏なし、家族とは不仲。冴えない日々を送る葉奈は作家になる夢を叶えるべく、戦時中の沖縄を舞台に勝負作を書くことを決める。しかし取材先で問題の当事者ではない自分が書くことへの覚悟を問われ……。 派遣社員、彼氏なし、家族とは不仲。冴えない日々を送る葉奈は作家になる夢を叶えるべく、戦時中の沖縄を舞台に勝負作を書くことを決める。しかし取材先で問題の当事者ではない自分が書くことへの覚悟を問われ……。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「翡翠色の海へうたう」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 派遣社員として働きながら作家志望の女性が、朝鮮半島から強制的に連れてこられた慰安婦を採り上げて小説を書こうとする。彼女は沖縄に向かい、現地での取材を進める過程と、慰安婦として死地を彷徨う女性の記憶を再 派遣社員として働きながら作家志望の女性が、朝鮮半島から強制的に連れてこられた慰安婦を採り上げて小説を書こうとする。彼女は沖縄に向かい、現地での取材を進める過程と、慰安婦として死地を彷徨う女性の記憶を再現した物語が並行し、沖縄の慰安婦の歴史を辿り、そのあまりの悲惨さにまだこれを小説にするのは早い。その前に現代にも残っている女性蔑視や非正規雇用の問題に取り組もうと決心するまでを描く。三重構造をとっているので初めはやや戸惑いながら読み始めたが、話が進むにつれて抵抗なく物語に入って行くことができた。 …続きを読む
    藤枝梅安
    2022年02月16日
    106人がナイス!しています
  • 派遣社員で小説家志望の主人公が推しのkポップアイドルが元慰安婦を支援していることをきっかけにそれを題材にしたいと沖縄へ。しかしそのテーマは相当の覚悟がいることを知る。それと朝鮮から慰安婦として沖縄に渡 派遣社員で小説家志望の主人公が推しのkポップアイドルが元慰安婦を支援していることをきっかけにそれを題材にしたいと沖縄へ。しかしそのテーマは相当の覚悟がいることを知る。それと朝鮮から慰安婦として沖縄に渡った女性の話と平行に進む。彼女たちは男たちの欲求のはけ口の穴となる。1日に何人もの男の相手をし、時には殴られただ時の過ぎるのを待つ。そして当時沖縄であった様々なことは当時を知っている人が少なくなったこともあってオブラートに包まれる。歴史を正しく知るのは大切。だが土地の人間でない者が掘り下げて書く難しさも知る。 …続きを読む
    モルク
    2022年11月27日
    105人がナイス!しています
  • 薄くて軽い本だけれど、内容は重いものが詰まっていた。本作には“私”と“わたし”が登場する。“私”は、主人公の河合葉奈。派遣社員で冴えない日々を送りながらも、作家を目指している。あるきっかけで戦時中の沖縄を舞 薄くて軽い本だけれど、内容は重いものが詰まっていた。本作には“私”と“わたし”が登場する。“私”は、主人公の河合葉奈。派遣社員で冴えない日々を送りながらも、作家を目指している。あるきっかけで戦時中の沖縄を舞台に作品を書こうと決める。しかし取材を進める中で、イメージしていた女性たちの姿と、証言者たちが語る彼女たちの姿に乖離がある事に気付く。そこで当時の慰安婦として仕えていた“わたし”が登場する。慰安婦の話は読んでいてとてもつらかった。戦争がなければこんな事は起きなかった。平和のありがたさを改めて痛感した。 …続きを読む
    のぶ
    2021年09月21日
    97人がナイス!しています

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