- 著者 にゃんたこ
- 定価: 円 (本体 円+税)
- 発売日:
- 2021年01月20日
- 判型:
- 四六判
- 商品形態:
- 単行本
- ページ数:
- 192
- ISBN:
- 9784048969253
世界は救えないけど豚の角煮は作れる
- 著者 にゃんたこ
- 定価: 円 (本体 円+税)
- 発売日:
- 2021年01月20日
- 判型:
- 四六判
- 商品形態:
- 単行本
- ページ数:
- 192
- ISBN:
- 9784048969253
人生はシュプリームなガラクタだ
YouTubeで文学的世界観を作り出している、にゃんたこの初エッセイ!
にゃんたこワールド全開の日常と哲学がここに凝縮。短編ストーリー「沈む熊」、「いつくしみをたたえて」も収録。
【本文より】
生活の中に、青春を懐かしむ余白をもつ人間のことを大人と呼ぶのだとすれば、私の心はずいぶん前からすっかり大人になってしまっている。年齢を重ねただけの子供を大人と呼ぶことができるのか?というモラトリアム的な問題はさておき、とにかく最近、青春時代のあれこれを思い出すことが多い。けれど、「大人である」私が、たとえば高校生の私を懐かしく思うのと同じように、高校生の私もまた、「大人である」私にひどく恋い焦がれていた。
高校一年生の夏休みに、生まれて初めて髪の毛をブリーチした。ブリーチ剤を頭に塗りたくられて、ラップをぐるぐると巻かれる。60ワットの照明器具然としたドーナツ状の謎の物体が頭の周りをぐるぐると回る。頭皮が燃えるように熱くなり、その熱さが次第に痛みへと変わっていく。昨晩食べた八匹の子持ちししゃものことを思い出す。コンロの中ってこんな感じだろうか。
一時間の耐久の末、憧れのブロンドヘアを手に入れた私は、顔にも年齢にも不釣り合いな濃いメイクに違和感を覚えないほどには浮かれきっていた。大人の女はブロンドヘアが似合う、という類稀なる偏見と理想。そこに若さゆえの超主観的な実行力が加わって、悲しみのブロンドティーンが誕生してしまった。(続く)
にゃんたこワールド全開の日常と哲学がここに凝縮。短編ストーリー「沈む熊」、「いつくしみをたたえて」も収録。
【本文より】
生活の中に、青春を懐かしむ余白をもつ人間のことを大人と呼ぶのだとすれば、私の心はずいぶん前からすっかり大人になってしまっている。年齢を重ねただけの子供を大人と呼ぶことができるのか?というモラトリアム的な問題はさておき、とにかく最近、青春時代のあれこれを思い出すことが多い。けれど、「大人である」私が、たとえば高校生の私を懐かしく思うのと同じように、高校生の私もまた、「大人である」私にひどく恋い焦がれていた。
高校一年生の夏休みに、生まれて初めて髪の毛をブリーチした。ブリーチ剤を頭に塗りたくられて、ラップをぐるぐると巻かれる。60ワットの照明器具然としたドーナツ状の謎の物体が頭の周りをぐるぐると回る。頭皮が燃えるように熱くなり、その熱さが次第に痛みへと変わっていく。昨晩食べた八匹の子持ちししゃものことを思い出す。コンロの中ってこんな感じだろうか。
一時間の耐久の末、憧れのブロンドヘアを手に入れた私は、顔にも年齢にも不釣り合いな濃いメイクに違和感を覚えないほどには浮かれきっていた。大人の女はブロンドヘアが似合う、という類稀なる偏見と理想。そこに若さゆえの超主観的な実行力が加わって、悲しみのブロンドティーンが誕生してしまった。(続く)
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
もくじ
●マクドナルドの残り香が連れてくる朝●つゆだく納豆的幸福論●第一次シングル・ダブルロール問題●幽☆遊☆白☆書のチケット●カエル見に行かへん?●中二病を患うと難しい言葉で死にたいって言い始めるの、何で●ブラジルの小さな公園に咲くたんぽぽ●牛丼屋が好きだという話●欠けたものほど美しい●堂々と逃げ道を歩くこと●豚の角煮は生活を救う・夢は弁護士です●でかいテレビがもたらす恩恵について●青い首輪から咲いた花・未来は今の地続きである●平穏な日常に、戦争は突然訪れる●大衆迎合的なバレンシアガのスニーカーについて●ほんの一面としてのショートパンツ●コンプレックスとピカチュウのしっぽ●ウィリアム・ターナーと救済
「世界は救えないけど豚の角煮は作れる」感想・レビュー
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書いた!2021年01月20日66人がナイス!しています
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笑わせて掴みはOKにし、心動かされる言葉を紡いで〆る上手さ。こんなこといいな書けたらいいな...のび太の気持ち。朝起きて、顔洗って歯を磨く。そういうことが当たり前のようにできない日が多々ある。(本文より) …続きを読む2022年08月16日42人がナイス!しています
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YouTuberにゃんたこさんのエッセイ。些細な日常から心温まる話まで、巧みな文章で楽しませてもらいました。この本を読んで癒された自分はそれなりに疲れていたのだと思います。皆様、たまには自分を労ってください。 …続きを読む2021年11月25日24人がナイス!しています