聖地と日本人

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2021年03月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044006365
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聖地と日本人

  • 著者 小松 和彦
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2021年03月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044006365

鞍馬山、愛宕山、貴船……24の聖地を、妖怪研究の第一人者が案内。

鞍馬・僧正ヶ谷、比叡山横川、河原院、竹生島、熊野、志度浦の龍宮、富士山、安達ヶ原……能楽の舞台となったこれらの場所は、「聖地」と呼ばれてきた。神々が遊び、鬼や妖怪が出没するといわれた異界への入り口。俗世の向こう側にある極楽・地獄として、日本列島の中に見出された聖地とはいかなる場所であったのか? 絵画や文学作品、歴史書など、多彩な史料を手がかりに、中世の京都人が聖なる場所に込めた思いに迫る。


鞍馬・僧正ヶ谷、比叡山横川、河原院、竹生島、熊野、志度浦の龍宮、富士山、安達ヶ原……能楽の舞台となったこれらの場所は、「聖地」と呼ばれてきた。神々が遊び、鬼や妖怪が出没するといわれた異界への入り口。俗世の向こう側にある極楽・地獄として、日本列島の中に見出された聖地とはいかなる場所であったのか? 絵画や文学作品、歴史書など、多彩な史料を手がかりに、中世の京都人が聖なる場所に込めた思いに迫る。


※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

プロローグ
鞍馬・僧正ヶ谷  天狗の巣窟で牛若丸と出会う
清水・音羽の瀧  観音が結んだ縁
愛宕山  天界・魔界ともつながる空間
大江山・千丈ヶ嶽  酒呑童子の棲む山
葛城山  土蜘蛛伝説と修験道の聖地
貴船  心の闇を引き受ける場所
河原院  化け物屋敷に棲む吸血鬼
比叡山横川  元三大師信仰の拠点
稲荷山  謎が多い稲荷信仰
逢坂山  逆髪が語る「さかさまの思想」
竹生島  「金輪際」から生まれ出た水晶輪の山
芦屋  鵺を神に祀った京都の聖地
吉野  金の御嶽と呼ばれた桜の名所
日高川  道成寺と法華経
熊野  死と再生の舞台
志度浦の龍宮  富も災厄ももたらす場所
上路  山姥の棲む山
天人の棲む世界  天界の王は鬼か
富士山  天界と地下界につながる「世界山」
立山  あの世の地獄がこの世に出現
白峯  最も恐れられた怨霊・崇徳院
那須野  三国伝来の妖狐の遺跡
戸隠  鬼女に託された記憶
安達ヶ原  鬼婆が出没する空間
あとがき
角川ソフィア文庫版あとがき

「聖地と日本人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 能楽を手がかりに京都(=伝統的日本文化)にとっての「聖地・異界」を探る。取り上げられている24の異界は鞍馬から吉野熊野や立山を経て安達ヶ原に及ぶ。かつては霊場、今は観光地として訪れたことのある場所が多く 能楽を手がかりに京都(=伝統的日本文化)にとっての「聖地・異界」を探る。取り上げられている24の異界は鞍馬から吉野熊野や立山を経て安達ヶ原に及ぶ。かつては霊場、今は観光地として訪れたことのある場所が多く興味深いが、全て能楽の舞台と言うことにも驚いた。大昔に謡いを習っていたことがあり文学作品として読んでいたけれど、「日本に土着してきた思想を考えるための『教典』」と言う著者の主張も頷ける。雑誌『観世』の連載が2006年に『誰も知らなかった京都聖地案内』として本になり、それが角川ソフィア文庫に収められたもの。 …続きを読む
    たま
    2021年06月24日
    31人がナイス!しています
  • 聖地とは「奥」のさらに奥にあたる場――。それは距離的なものだけではなく精神的にもより深い部分といえる。異界とも言い換えることができる地を能楽作品を通して知ることができた。鞍馬・僧正ヶ谷、貴船、比叡山横川 聖地とは「奥」のさらに奥にあたる場――。それは距離的なものだけではなく精神的にもより深い部分といえる。異界とも言い換えることができる地を能楽作品を通して知ることができた。鞍馬・僧正ヶ谷、貴船、比叡山横川といった京都のまちから少し出たところだけではなく、竹生島や熊野、富士山や立山、戸隠といった全国の地も。能という人為と古来からの地が繋がることに新鮮な驚きと興味を抱き、そしてやはり、訪ねてみたくなるのだな。 …続きを読む
    まさ
    2021年08月08日
    29人がナイス!しています
  • 昔から、易々と入ってはいけない場所があった。それは、深い山だったり、川や海だったりした。本能的に危ないぞと感じる場所を、恐怖を畏怖と変換し、神や魔のいる聖性・魔性の地として、説話の中に落とし込んだ。語 昔から、易々と入ってはいけない場所があった。それは、深い山だったり、川や海だったりした。本能的に危ないぞと感じる場所を、恐怖を畏怖と変換し、神や魔のいる聖性・魔性の地として、説話の中に落とし込んだ。語り継ぐ中で、神仏習合や創作物の影響もあり、誰かが物語の形にしていく。現在、研究家以外でこれを語り継ぐのが、実は能楽だったというのを初めて知った。夏休みになると、山や海、川での事故死が毎年絶えない。昔はそれを伝承として語られたが、今はそれも絶えて久しい。文化を見直すというのは、先人の知恵や経験を受け継ぐこと。 …続きを読む
    寝落ち6段
    2023年08月05日
    19人がナイス!しています

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