来世の記憶

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2020年07月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
280
ISBN:
9784041094136

来世の記憶

  • 著者 藤野 可織
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2020年07月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
280
ISBN:
9784041094136

途方もない悲しみと誇らしさ。そんなの、女の子なら誰だって経験してる。

「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。

「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

前世の記憶
眠りの館
れいぞうこ
ピアノ・トランスフォーマー
フラン
切手占い殺人事件
キャラ
時間ある?
スパゲティ禍
世界
ニュー・クリノリン・ジェネレーション
鈴木さんの映画
眠るまで
ネグリジェと世界美術大全集
スマートフォンたちはまだ
怪獣を虐待する
植物装

誕生
いつかったひとつの最高のかばんで

「来世の記憶」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 今回の藤野可織作品はジェンダー観や世間体、個性的でありながら同一を強いる風潮に対し、寓意が強めな作品が多い。「時間ある?」は「見下せる事ができる事が居心地が良いから」という理由で相手からの一方的な関係 今回の藤野可織作品はジェンダー観や世間体、個性的でありながら同一を強いる風潮に対し、寓意が強めな作品が多い。「時間ある?」は「見下せる事ができる事が居心地が良いから」という理由で相手からの一方的な関係を良しとしていた語り手。でも彼女が相手から「親友と喧嘩したの」と相談されてショックを受ける場面に痛みと同時に黒い嗤いが込み上げてきました。見下す相手にも人生がある。それを見て見ぬ振りをして相手の唯一にもなれやしない。Hey,Siri.ならぬニコラス・ケイジな「鈴木さんの映画」は想像すだにシュールだ。 …続きを読む
    藤月はな(灯れ松明の火)
    2020年09月14日
    73人がナイス!しています
  • 淡い色合いをした抽象画のような、調子はずれの音を奏でるオルゴールのような、そこはかとない違和感を楽しむ短編集。くっきりした曖昧さ、現実的な非現実、昔あった未来、眠りの中の覚醒など、緻密に計算されたカオ 淡い色合いをした抽象画のような、調子はずれの音を奏でるオルゴールのような、そこはかとない違和感を楽しむ短編集。くっきりした曖昧さ、現実的な非現実、昔あった未来、眠りの中の覚醒など、緻密に計算されたカオスと感覚的で不可解な世界が心地よくて虜になる。子供の頃の空想をそのまま文字にしたような無邪気さと、しんとした大人の的確さを兼ね備えた文体により、否応なく作品に引き込まれる。短編ならではの潔さとインパクトで頭の中が「読書の醍醐味」で一杯になり、想像の蔦にからめとられる。★★★☆☆ …続きを読む
    もぐたん
    2021年02月14日
    72人がナイス!しています
  • 突飛な発想と社会風刺によって編みあげられた多彩な短編集。奇想という言葉が浮かぶが、個々の作品はその短さを考えると驚くほどの物語性をも有している。一篇一篇が単なるアイディア勝負に堕していない。読者に解釈 突飛な発想と社会風刺によって編みあげられた多彩な短編集。奇想という言葉が浮かぶが、個々の作品はその短さを考えると驚くほどの物語性をも有している。一篇一篇が単なるアイディア勝負に堕していない。読者に解釈を促すような作品も、作者の中には明確な概念があることが分かるので、短編ながらも硬い芯が通っている印象だ。ページをめくるたび感心する読書だった。世界文学レベルというのも強ち誇張ではないだろう。ここ最近の日本文学には疎いので、新たな作家に出会うとそのレベルの高さに毎回驚かされる。 …続きを読む
    ヘラジカ
    2020年07月12日
    68人がナイス!しています

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