歌集 月を食う

歌集 月を食う

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年11月01日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
196
ISBN:
9784048842884

歌集 月を食う

  • 著者 佐佐木 定綱
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2019年11月01日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
196
ISBN:
9784048842884

ぼくの持つバケツに落ちた月を食いめだかの腹はふくらんでゆく


男性の吐瀉物眺める昼下がりカニチャーハンかおれも食いたい
自らのまわりに円を描くごと死んだ魚は机を濡らす
湖のようなベッドを抜け出せば君のもとまでさざ波が立つ
ぼくの持つバケツに落ちた月を食いめだかの腹はふくらんでゆく
親鳥の不在のあいだに辞書の切れ端から虫の名を覚えだす

男性の吐瀉物眺める昼下がりカニチャーハンかおれも食いたい
自らのまわりに円を描くごと死んだ魚は机を濡らす
湖のようなベッドを抜け出せば君のもとまでさざ波が立つ
ぼくの持つバケツに落ちた月を食いめだかの腹はふくらんでゆく
親鳥の不在のあいだに辞書の切れ端から虫の名を覚えだす

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「歌集 月を食う」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 個人的に大当たり。生々しい、飾りのない(わけではないのでしょうが・・・)毎日がそのまま歌っているような、血の通った感じがする短歌が並ぶ。生のままのように見えて、批評性(嫌味でない程度の)もある。作者の 個人的に大当たり。生々しい、飾りのない(わけではないのでしょうが・・・)毎日がそのまま歌っているような、血の通った感じがする短歌が並ぶ。生のままのように見えて、批評性(嫌味でない程度の)もある。作者の頭の良さ、社会との距離感が感じられる第一歌集だった。ところどころ文語調の表現をうまく取り入れながら、基本は現代口語調。血筋だけではない、若さだけではない、何かを感じた。好き。 …続きを読む
    だいだい(橙)
    2024年05月18日
    18人がナイス!しています
  • 佐佐木 定綱:1986年5月19日、東京都世田谷区生まれ。成城大学大学院修士課程修了。平成22年から、父佐佐木幸綱が主宰を務める「心の花」で短歌を始める。平成28年「魚は机を濡らす」50首で角川短歌賞受賞。「湖のよ 佐佐木 定綱:1986年5月19日、東京都世田谷区生まれ。成城大学大学院修士課程修了。平成22年から、父佐佐木幸綱が主宰を務める「心の花」で短歌を始める。平成28年「魚は机を濡らす」50首で角川短歌賞受賞。「湖のようなベッドを抜け出せば君のもとまでさざ波が立つ」「一匹のナメクジが紙の政治家を泣き顔に変えてゆくを見ており」 …続きを読む
    双海(ふたみ)
    2023年07月01日
    15人がナイス!しています
  • 今年度のNHK短歌選者、佐佐木定綱先生の第一歌集。番組を見て、だいたいの趣向は把握しているつもりだったけれど、しっかりと歌集を読み込むとまた印象が変わってくる。独特の空気感がある歌が多いなと前々から思っ 今年度のNHK短歌選者、佐佐木定綱先生の第一歌集。番組を見て、だいたいの趣向は把握しているつもりだったけれど、しっかりと歌集を読み込むとまた印象が変わってくる。独特の空気感がある歌が多いなと前々から思っていたが、それはどの歌にも確たるボイスがあるからだと思うに至った。難民を詠んでも、家畜を詠んでも、そこにちゃんと声があるから空虚な歌にならない。「川べりのよどみみたいなものだよと愛を説明し出す多摩川」「おまえは生きているうち一度でも空を見たかと問う鶏肉に」 …続きを読む
    おはぎ
    2022年11月12日
    13人がナイス!しています

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