ネットは社会を分断しない

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年10月10日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
240
ISBN:
9784040823034
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ネットは社会を分断しない

  • 著者 田中 辰雄
  • 著者 浜屋 敏
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2019年10月10日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
240
ISBN:
9784040823034

10万人規模の調査で迫る、ネットと現代政治の実態!

罵詈雑言が飛び交い、生産的な議論を行うことは不可能に思われる現在のインターネット。しかし、ネットの利用は本当に人々を分断しているのか? 10万人規模の実証調査で迫る、インターネットと現代社会の実態。 罵詈雑言が飛び交い、生産的な議論を行うことは不可能に思われる現在のインターネット。しかし、ネットの利用は本当に人々を分断しているのか? 10万人規模の実証調査で迫る、インターネットと現代社会の実態。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

まえがき

第1章 ネットへの期待と幻滅――認識され始めた「分断」
 「ネットは社会を良くする」
 現在のネットに漂う絶望感
 分極化(polarization)とは何か
 実証研究――アメリカの場合
 日本の場合はどうなっているか
 分極化の問題点とは何か
 「集合知」の弱体化
 「ネット原因説」の登場

第2章 分断のネット原因説――選択的接触とパーソナルメディア化
 選択的接触とエコーチェンバー
 選択の自由の拡大が招いた閉鎖性
 デジタルマーケティングと選択的接触
 実証研究の紹介――アメリカ・日本の事例
 意見の穏健化を説明する「ホテリングのモデル」
 メディアの多様性の拡大が引き起こした分極化
 ネットメディアを利用する人の方が過激
 サイバーカスケード、そして自由と民主主義
 本書が提示する答え

第3章 本当にネットが原因なのか? その1――分断が起きているのはネットを使わない中高年
 分極化をどのように測るか
 年齢効果
 中高年先鋭化の事例
 アメリカでも先鋭化しているのは中高年
 「ネット原因説」との矛盾をどう解決するか

第4章 本当にネットが原因なのか? その2――ネットメディア利用の影響
 相関と因果の違い
 差の差分析(difference-in-difference)
 ネットメディアの利用は分極化に寄与するか
 政治的動機の除外
 年齢・性別ごとの検証
 一つだけ存在した分極化が進むケース
 ネットメディアの効果は穏健化が優勢
 選択的接触の話はどうなったのか

第5章 選択的接触の真実――賢明なネット世代
 保守・リベラルの一方だけの意見に接する人は5%以下
 論客のうち接する約4割は自分と逆の意見の持ち主
 クロス接触率4割をどう評価するか
 選択的接触はあくまで限定的
 年齢・性別ごとの検証
 選択的接触はマスメディアの場合の方が起きている
 ブログ・ネット雑誌読者の政治傾向
 紙雑誌の場合との比較
 予想と現実のズレはなぜ起きたか
 両側の意見を聞くと穏健化する
 ネット草創期の希望はまだ死んでいない

第6章 ネットで見える世論と真の世論――罵詈雑言を生む構造的問題
 なぜネットの議論は極端に見えるのか
 ネットでの議論の困難さ
 政治傾向の分布と表明される意見の分布のズレ
 ヘビーライターという存在
 書き込み数に見る意見の表れ方の歪み
 「目に触れる」という違い
 炎上事件から見えてくる「閲覧頻度」という要因
 萎縮効果
 ネットで見える世論の特性

あとがき――ネットの議論を良くするために

「ネットは社会を分断しない」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 多くの罵詈雑言が飛び交い生産的な議論は不可能に思えるインターネット。過激な書き込みを行っているのは一体誰なのか?何がネット上の議論を息苦しくしているのか?計量分析で迫るインターネットと現代社会の実態。 多くの罵詈雑言が飛び交い生産的な議論は不可能に思えるインターネット。過激な書き込みを行っているのは一体誰なのか?何がネット上の議論を息苦しくしているのか?計量分析で迫るインターネットと現代社会の実態。社会を良くすると期待されていたインターネットは分極化の原因なのか。選択的接触などによる影響の可能性は認めつつも、豊富な統計から必ずしも直接的な要因にはなっていないことに着目し、過激なのは中高年を中心とするごく一部で、若者やサイレントマジョリティは意外とバランスを取っていることを指摘した内容は興味深かったです。 …続きを読む
    よっち
    2019年11月24日
    42人がナイス!しています
  • SNSの普及により社会が分断されているとする俗説を検証。 ネットで左右両極端の主張が交わることなく荒れるのはごく少数の層が頻繁に書き込んでいるだけで、ネットが全体の世論を表すわけでは決してない。 異なる意 SNSの普及により社会が分断されているとする俗説を検証。 ネットで左右両極端の主張が交わることなく荒れるのはごく少数の層が頻繁に書き込んでいるだけで、ネットが全体の世論を表すわけでは決してない。 異なる意見にアクセスするコストが紙や新聞に比べると劇的に低いネットの特性に若者は順応しており、左右を問わず情報を摂取。ものの見方をより柔軟で穏健なものとしている。 群衆の英知をもって世の中をよくしていこうとするネット草創期、Web2.0の頃の夢はまだ潰えていないことを力説する一冊です。 …続きを読む
    hatayan
    2019年12月14日
    36人がナイス!しています
  • 世間に広く流布している、ネットによる社会分断説を10万人規模のネット調査によって覆す意欲作。ネットで分断はおきていないが、「起きているように見える」というのが結論。つまり真の社会分布の一部分だけがネット 世間に広く流布している、ネットによる社会分断説を10万人規模のネット調査によって覆す意欲作。ネットで分断はおきていないが、「起きているように見える」というのが結論。つまり真の社会分布の一部分だけがネット上には見えているのだという。過度な書き込みをするヘビーライターの存在とその閲覧頻度、一方のサイレントマジョリティーの萎縮効果に起因する、という。なるほど言われてみると、この逆説は説得力がある。でも、じゃあネットを真の社会と同じように見えるようにするにはどうすれば良いのか?という問いが残り、やや消化不良気味。 …続きを読む
    おさむ
    2020年01月10日
    35人がナイス!しています

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