歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2018年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784044003999
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歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言

  • 著者 網野 善彦
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2018年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784044003999

歴史家・網野善彦がその学問形成と戦後史学の足跡を重ねわせた自伝的名著。

それまでの自分の生き方の決定的な誤りに気付いた1953年の夏から40余年間、ひたすらに学問と研究に向き合い、独自の歴史像を拓き続けた歴史家・網野善彦。「一つ一つの仕事、一通一通の文書を大切にするような姿勢だけは崩すまい」――戦後史学の当事者でもあった著者の苦悩と挫折、知られざる学問形成の足跡に肉薄。今後の歴史学に対する危惧を抱きつつも、その新たな展開へ強い願いを込めた自伝的名著。解説/清水克行

それまでの自分の生き方の決定的な誤りに気付いた1953年の夏から40余年間、ひたすらに学問と研究に向き合い、独自の歴史像を拓き続けた歴史家・網野善彦。「一つ一つの仕事、一通一通の文書を大切にするような姿勢だけは崩すまい」――戦後史学の当事者でもあった著者の苦悩と挫折、知られざる学問形成の足跡に肉薄。今後の歴史学に対する危惧を抱きつつも、その新たな展開へ強い願いを込めた自伝的名著。解説/清水克行

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

  序にかえて

戦後の「戦争犯罪」

1 戦後歴史学の五十年
戦後歴史学の五十年 歴史観の問題を中心に
一 見直される歴史像
二 戦後の「新しい歴史学」
三 戦後第一期の歴史学
四 「民族」をめぐる論争
五 戦後第二期の歴史学
佐藤進一さんの業績
津田左右吉氏の学問における「生活」と「科学」
五十年間の導きの書 佐藤進一『鎌倉幕府訴訟制度の研究』
私にとっての「古典」 川崎庸之氏の著作

2 歴史学と研究者
歴史家の姿勢 『川崎庸之歴史著作選集3 平安の文化と歴史』解説
『論集 中世の窓』について
一 第二期の中世史研究
二 政治史・法制史の分野
三 社会経済史の分野
四 文化史の分野
五 第三期の歴史学
商業史・都市史の成果 佐々木銀弥『日本中世の都市と法』解説
中世商工業史の進展 小野晃嗣『日本中世商業史の研究』解説

3 史料を読む

東寺百合文書と中世史研究
一 研究の源泉
二 荘園の研究

4 日本常民文化研究所
戦後の日本常民文化研究所と文書整理
はじめに
一 漁村資料の蒐集・整理事業の発足
二 宇野脩平氏について
三 月島分室の発足
四 月島分室での仕事
五 事業の行き詰まりと月島分室の解体
六 放置された借用文書
七 借用文書の一部の返却作業
八 三田の日本常民文化研究所
九 研究所の大学への移行をめぐって
むすび
古文書の結ぶ縁

5 渋沢敬三の学問と生き方
渋沢敬三の学問と生き方 『澁澤敬三著作集 第三巻』解説
被差別部落・「原始民族」への言及について
『澁澤敬三著作集 第一巻』解説
山崎釼二と鹿野忠雄と渋沢敬三
岩田〈外字:さやか〉『波瀾の南十字星──山崎釼二の一生』解説

インタビュー
私の生き方
あとがき
初出一覧

解説 清水克行

「歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 戦後歴史学の歩みが著者の生き方と重なる。最初は強烈なマルクス史観に基づき、歴史は発展するものであり、階級社会の中で農民や労働者が苦しむという流れで、それに沿った研究が多かったが、史料に先輩から大量に渡 戦後歴史学の歩みが著者の生き方と重なる。最初は強烈なマルクス史観に基づき、歴史は発展するものであり、階級社会の中で農民や労働者が苦しむという流れで、それに沿った研究が多かったが、史料に先輩から大量に渡されて分析していく中で、支配階級に囚われない多くの人々の存在に気づき、その史観から脱却していった。宮本常一は史料をつまみ食いするなど、研究仲間からの批判、評価も読みごたえあり。 …続きを読む
    さきん
    2021年12月09日
    30人がナイス!しています
  • 鎌倉時代から室町時代にかけての本邦の歴史について幅広く優れた業績を遺した著者の、研究書への解説や日本の歴史学の進みゆきについて回顧するエッセイをまとめたもの。読んでいくと、優れた知性を以って過去を暮ら 鎌倉時代から室町時代にかけての本邦の歴史について幅広く優れた業績を遺した著者の、研究書への解説や日本の歴史学の進みゆきについて回顧するエッセイをまとめたもの。読んでいくと、優れた知性を以って過去を暮らした人々とその営みについて絶えず想いを凝らし、研究に熱く邁進し続けた人となりが浮かんでくる。巻末に収録された20ページ余りのインタビューが凝縮されているので、まずそれを読んでから巻頭に戻るのも良いかもしれない。解説の清水克行が、80年代以降の網野は歴史学会の中心人物だったとはっきり述べているのも印象的だった。 …続きを読む
    さえきかずひこ
    2020年12月16日
    11人がナイス!しています
  • 期待した内容とちがった。歴史の本ではなく歴史学についてだった。先人たちへのリスペクト、伝わってくる。歴史って面白いなあ…。日本の中の多様性について、思いを馳せる。 期待した内容とちがった。歴史の本ではなく歴史学についてだった。先人たちへのリスペクト、伝わってくる。歴史って面白いなあ…。日本の中の多様性について、思いを馳せる。
    tellme0112
    2019年01月07日
    11人がナイス!しています

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