- 著者 京極 夏彦
- 発売日:
- 2018年02月24日
- 商品形態:
- 電子書籍
鬼談
- 著者 京極 夏彦
- 発売日:
- 2018年02月24日
- 商品形態:
- 電子書籍
失せろ。この人でなしの鬼め。
愛、絆、情、欲。
執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄!
藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。
物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。
これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。
元服の夜、作之進は父に呼び出された。
そして父は――厳かに言った。
「お前の腕を斬ったのは儂だ」
一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。
ある日、私は見てしまう。
幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、
「これだよなあ」
と、暗い声で言ったのだった――。
過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。
<解説/東雅夫>
執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄!
藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。
物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。
これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。
元服の夜、作之進は父に呼び出された。
そして父は――厳かに言った。
「お前の腕を斬ったのは儂だ」
一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。
ある日、私は見てしまう。
幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、
「これだよなあ」
と、暗い声で言ったのだった――。
過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。
<解説/東雅夫>
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。