- 著者 篠 たまき
- 定価: 円 (本体 円+税)
- 発売日:
- 2016年12月23日
- 判型:
- 四六判
- 商品形態:
- 単行本
- ページ数:
- 272
- ISBN:
- 9784041050774
やみ窓
- 著者 篠 たまき
- 定価: 円 (本体 円+税)
- 発売日:
- 2016年12月23日
- 判型:
- 四六判
- 商品形態:
- 単行本
- ページ数:
- 272
- ISBN:
- 9784041050774
第10回 幽文学賞短篇部門 大賞受賞作品に書き下ろしを加えた連作短篇集
2年前に結婚し、夫と死別した柚子は昼間はコールセンターで働く シフト制で働くフリーターだ。義理の母は柚子に息子を殺されたと罵倒する。柚子が味わった地獄は、別の形となって続いていた。それは何の前触れもなく突然やってくる異界のものたちとの闇の取引だ。いつ蹂躙されるともしれない危険と隣り合わせだが、窓の外の哀れな貧しい物の怪たちの来訪を待ちわびる柚子なのであった……。(「やみ窓」)
月蝕の夜、「かみさん……」土の匂いのする風が吹き、野分の後のように割れた叢に一人の娘が立っていた。訛りがきつく何をしゃべっているか聞き取れないが、柚子を祈り、崇めていることが分かった。ある夜、娘は手織りの素朴な反物を持ってきた。その反物はネットオークションで高額な値が付き……。そんなとき団地で出会った老婦人の千代は、ネットオークションで売り出した布と同じ柄の着物を持っていた のだ。その織物にはある呪われた伝説があった……。(「やみ織」)
ほか、亡き夫の死因が徐々に明らかにされ、夢と現の境界があいまいになっていく眩暈を描いた「やみ児」、そして連作中、唯一異界の者の視点で描いた「祠の灯り」でついに物語は大団円に。新人とは思えない筆致で細部まで幻想と現実のあわいを描き、地獄という恐怖と快楽に迫った傑作。
月蝕の夜、「かみさん……」土の匂いのする風が吹き、野分の後のように割れた叢に一人の娘が立っていた。訛りがきつく何をしゃべっているか聞き取れないが、柚子を祈り、崇めていることが分かった。ある夜、娘は手織りの素朴な反物を持ってきた。その反物はネットオークションで高額な値が付き……。そんなとき団地で出会った老婦人の千代は、ネットオークションで売り出した布と同じ柄の着物を持っていた のだ。その織物にはある呪われた伝説があった……。(「やみ織」)
ほか、亡き夫の死因が徐々に明らかにされ、夢と現の境界があいまいになっていく眩暈を描いた「やみ児」、そして連作中、唯一異界の者の視点で描いた「祠の灯り」でついに物語は大団円に。新人とは思えない筆致で細部まで幻想と現実のあわいを描き、地獄という恐怖と快楽に迫った傑作。
※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。
もくじ
やみ窓
やみ織
やみ児
祠の灯り
やみ織
やみ児
祠の灯り
「やみ窓」感想・レビュー
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やみが夜毎に窓をたたく。ぽと、ぽと、と。私はひかりの側に立ってやみが訪れるのを窓越しに見ていたつもりだった。あくまで私は「こちら」にいるのだと。そんな気になって。 やみが夜毎に私をおそれるようになり、 …続きを読む2020年03月07日164人がナイス!しています
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設定、雰囲気、共にひきこまれた一冊。夫と死別した柚子。毎晩座る夜の窓辺は闇の世界との接点、そして柚子の大切な夜の収入源。このちょっと幻想的な設定、雰囲気にまず意表を突かれ、瞬く間にひきこまれた。異世界 …続きを読む2018年11月05日107人がナイス!しています
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幽玄の世界でもあり、現実社会の裏側を覗いた感じでもあり不思議な感覚を覚える作品。柚子という女性、夫が1年前に事故で亡くなり今は契約社員としてひっそりと暮らす。彼女の住む3階の窓の向こうに不定期に訪れる …続きを読む2021年06月30日96人がナイス!しています