不在

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2018年06月29日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784041049105

不在

  • 著者 彩瀬 まる
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2018年06月29日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784041049105

愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。野心的長篇小説!

長らく疎遠だった父が、死んだ。「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」。不可解な遺言に、娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決めた。25年ぶりに足を踏み入れた錦野医院には、自分の知らない父の痕跡が鏤められていた。恋人の冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むに連れ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。次々現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて――。愛情のなくなった家族や恋人、その次に訪れる関係性とは。気鋭の著者が、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。喪失と再生、野心的長篇小説! 長らく疎遠だった父が、死んだ。「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」。不可解な遺言に、娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決めた。25年ぶりに足を踏み入れた錦野医院には、自分の知らない父の痕跡が鏤められていた。恋人の冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むに連れ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。次々現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて――。愛情のなくなった家族や恋人、その次に訪れる関係性とは。気鋭の著者が、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。喪失と再生、野心的長篇小説!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

   

おすすめコメント

頼りない私達を一人にしない為に、慎重に絞り出すように紡がれた言葉たち。
おかげで自分の大嫌いな部分を、ほんの少し愛してしまった。
――橋本愛様(女優)

    

「家族」と聞いて一番最初に「笑顔」という言葉を思い浮かべられる人は読まなくてもいいかもしれない。気づかないでいたい黒い小さなものを知っている人には、きっと刺さる物語。そして、多分、救いになる物語。
――精文館書店中島新町店 久田かおり様

とにかく、《胸がきゅーっとなる》小説でした!
明日香が遺品整理するのを読んでいくうちに、お父さんの人生が浮かび上がり、明日香の心が痛いように刺さりました。
――うさぎやTSUTAYA矢板店 山田恵理子様

「不在」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 直木賞候補の「くちなし」に続いて彩瀬 まる、2作めです。ホラーやイヤミスに変換して行くのではと思いながら読み進めましたが、正統派の恋愛・家族小説の佳作でした。少し作風が、村山 由佳に似て来たような気がし 直木賞候補の「くちなし」に続いて彩瀬 まる、2作めです。ホラーやイヤミスに変換して行くのではと思いながら読み進めましたが、正統派の恋愛・家族小説の佳作でした。少し作風が、村山 由佳に似て来たような気がします。 …続きを読む
    starbro
    2018年10月02日
    404人がナイス!しています
  • 家族の形、恋人の形。それはどんな形をしているの?どんな形なら満足できるの?愛の形は人それぞれで、どんな形でもニーズが満たされていれば問題はない。それがたとえ支配と忠誠という愛であっても、それが望む形だ 家族の形、恋人の形。それはどんな形をしているの?どんな形なら満足できるの?愛の形は人それぞれで、どんな形でもニーズが満たされていれば問題はない。それがたとえ支配と忠誠という愛であっても、それが望む形だったら、それでいい。けれど大抵の人はそうじゃない。そんな歪んだ愛は望まない。期待通りの形に収まってくれないあなたが悪い、私が望む愛はそうじゃない、そうやって父を、恋人を、責める明日香。理不尽で我が儘な明日香の言動の裏にある、上手に愛せない苦しみ。人の心は複雑で、時に愛を間違えてしまう。愛の不在を埋められずに。 …続きを読む
    風眠
    2018年08月02日
    290人がナイス!しています
  • 『不在』は、両親の離婚後、付き合いのなかった父の屋敷と遺品を整理する漫画家明日香の物語です。家族に愛されることや愛することとは何かを問い続けた印象でした。明日香の気持ちを理解できるような気がした一方で 『不在』は、両親の離婚後、付き合いのなかった父の屋敷と遺品を整理する漫画家明日香の物語です。家族に愛されることや愛することとは何かを問い続けた印象でした。明日香の気持ちを理解できるような気がした一方で、彼女にはほとんど共感できませんでした。それは物語が進むにつれて、変わっていく彼女の心のあり方が苦しかったからです。ただ、終盤で自分の苦しさを創作意欲に昇華する場面に救いを感じました。 …続きを読む
    ダイスケ
    2023年05月26日
    286人がナイス!しています

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著者紹介

彩瀬 まる(あやせ まる)

1986年千葉県生まれ。「花に眩む」で女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞しデビュー。

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