和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2016年04月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784041041253
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和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人

  • 著者 安田 峰俊
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2016年04月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784041041253

2ちゃんねらー、風俗嬢、やくざ。中国で喰い、中国を喰らう人を追ったルポ

なぜ日本人の2ちゃんねらーは、日本より雲南省の山奥の農村に住むことを選んだのか?
なぜ日本共産党から日中友好協会と、友好に身を捧げた女性はネット保守へ転向したのか?
なぜ日本のやくざに、日系企業が「組の設立」を依頼し、日系暴力団が誕生したのか?
なぜマカオに、日本人風俗嬢はわざわざ出稼ぎに行くのか?

中国で喰い、中国を喰らう日本人。
「和僑」の姿が明らかになる。


和僑とは?
「和僑」とは、今世紀になってから日本人の間で作られた造語である。もともとは、中国人の奥さんを貰ったミュージシャンのファンキー末吉が、在外華人を意味する「華僑」をもじって発明した言葉らしい。現在、「和僑」をネットで検索すると、和僑会や「和僑ネットワーク」などのビジネス系のサイトが上位に並ぶが、漢字の字義を考えるなら、海外移住をした人から出稼ぎや旅行・留学などを目的に短期滞在をする人まで、「和僑」とは海の向こうに渡る様々な日本人たちすべてを含む概念なのである。

本書に登場する和僑たち
・雲南省の山村に住む農民の青年。重度の2ちゃんねらー
・マカオで「カジノを買い取りたい」と豪語する富豪
・海外で出稼ぎをし、『ニッポン定食』として働いていた風俗嬢
・海外赴任をしても日本人村に引きこもる、上場企業の駐在員たち
・金嬉老と同じ刑務所にいたという、在上海、日系暴力団組長
・日中友好協会に入り、友好に身を捧げたのち、反中となり、ネット保守になった活動家

―――――――――――――――――――――――――――――
マカオの欲望の海を漂う弓長さんやヒカルさん、上海に二十一世紀の日本人町を作り上げている駐在員とその関係者たち、魔都の夜に君臨する義龍老人、北京で日中友好の幻想に翻弄された心正しき人たち、そして、雲南省の農村に住むヒロアキさん――。
海を渡って中国に住んだ和僑たちから感じられる母国の影は、本国の社会が必死で払拭しようと努力していたはずの、非常にウェットで泥臭くて洗練されていない「日本」の姿ばかりなのだった。
もはや現実の日本国内にも存在していないほど、過剰に日本らしい日本なのである。
 それは、中国という外国が、良くも悪くも日本人の自己認識を刺激する国だからなのだろう。(本文より)
なぜ日本人の2ちゃんねらーは、日本より雲南省の山奥の農村に住むことを選んだのか?
なぜ日本共産党から日中友好協会と、友好に身を捧げた女性はネット保守へ転向したのか?
なぜ日本のやくざに、日系企業が「組の設立」を依頼し、日系暴力団が誕生したのか?
なぜマカオに、日本人風俗嬢はわざわざ出稼ぎに行くのか?

中国で喰い、中国を喰らう日本人。
「和僑」の姿が明らかになる。


和僑とは?
「和僑」とは、今世紀になってから日本人の間で作られた造語である。もともとは、中国人の奥さんを貰ったミュージシャンのファンキー末吉が、在外華人を意味する「華僑」をもじって発明した言葉らしい。現在、「和僑」をネットで検索すると、和僑会や「和僑ネットワーク」などのビジネス系のサイトが上位に並ぶが、漢字の字義を考えるなら、海外移住をした人から出稼ぎや旅行・留学などを目的に短期滞在をする人まで、「和僑」とは海の向こうに渡る様々な日本人たちすべてを含む概念なのである。

本書に登場する和僑たち
・雲南省の山村に住む農民の青年。重度の2ちゃんねらー
・マカオで「カジノを買い取りたい」と豪語する富豪
・海外で出稼ぎをし、『ニッポン定食』として働いていた風俗嬢
・海外赴任をしても日本人村に引きこもる、上場企業の駐在員たち
・金嬉老と同じ刑務所にいたという、在上海、日系暴力団組長
・日中友好協会に入り、友好に身を捧げたのち、反中となり、ネット保守になった活動家

―――――――――――――――――――――――――――――
マカオの欲望の海を漂う弓長さんやヒカルさん、上海に二十一世紀の日本人町を作り上げている駐在員とその関係者たち、魔都の夜に君臨する義龍老人、北京で日中友好の幻想に翻弄された心正しき人たち、そして、雲南省の農村に住むヒロアキさん――。
海を渡って中国に住んだ和僑たちから感じられる母国の影は、本国の社会が必死で払拭しようと努力していたはずの、非常にウェットで泥臭くて洗練されていない「日本」の姿ばかりなのだった。
もはや現実の日本国内にも存在していないほど、過剰に日本らしい日本なのである。
 それは、中国という外国が、良くも悪くも日本人の自己認識を刺激する国だからなのだろう。(本文より)

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

はじめに
第1章 2ちゃんねらーは日本ではなく中国の農村を選んだ――雲南
→「中国の農村に住んでるけど質問ある?」と2ちゃんねるに書き込んだ本人を捜しに中国内陸部の農村地帯へ!! 彼は著者はじめ、“中国の専門家には出来ないこと”を成し遂げていた。
第2章 「売春仲介は逮捕のリスクがある」と富豪は切り捨てた――マカオ
→欲望の街、マカオ。財をなした華僑系日本人の富豪は、更なる高みを目指していた。彼によると、マカオの風俗で働く「ニッポン定食」と呼ばれる日本人女性がいるらしい。サウナに潜入してみた。
第3章 「私は『ニッポン定食』だった」と風俗嬢は笑った――新宿歌舞伎町
→「ニッポン定食」の経験者をついに捕まえる。彼女はスペインやインドネシアはじめ、海外への出稼ぎを繰り返すグローバル風俗嬢だった。「海外の風俗店は日本よりも「安全」」と語る理由とは?
第4章 駐在員たちは「かつての日本」をつくっていた――上海
→戦前以来の復活を遂げた日本人10万人社会。そこは国内以上の格差社会だった。“日本人村”に閉じこもる大手企業の駐在員たちは本当に駄目な存在か? 彼らの環境はかつての「日本」そのものだった。
第5章 「組を作ってくれとお願いされたんや」とやくざは語った――上海
→かつて金嬉老と同じ刑務所にいたやくざは、中国人女性と結婚して海を渡った。そこで、なんと彼は“在上海の日系企業の要請”で日系暴力団を組織していた。中国の公安、公認の暴力団である。
第6章 「さらば日中友好」と、友好に身を捧げた老女は訴えた――北京
→友好の対象は中華人民共和国か、中国に住む人々か? 日中友好協会を通じて両国の友好に献身し、いまだに未来を信じる女性と転向した女性。政治の街で友好を問う。尖閣後の最新事情も報告!!
第7章 「日本よりも中国の方が自由で暮らしやすいんですよ」
→雲南省の奥地の農村から2ちゃんねるに書き込んでいた男は、人攫いの雑伎団と同行し、山賊を撃退するような生活を送っていた。その彼が、「中国は一党独裁のままの方がいい」と言う。なぜか?
おわりに
文庫版あとがき
主要参考文献一覧
解説

「和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 華僑や僑胞(韓国人)に対する、日本人が海外で暮らし生活する人を和僑と言う。中国に関するノンフィクションを書く著者が、中国を舞台に活躍、暗躍する日本人をルポした作品は不思議な感慨をもたらした。特に性産業に 華僑や僑胞(韓国人)に対する、日本人が海外で暮らし生活する人を和僑と言う。中国に関するノンフィクションを書く著者が、中国を舞台に活躍、暗躍する日本人をルポした作品は不思議な感慨をもたらした。特に性産業に従事する風俗嬢。金額でいったら日本の方が儲かる気がするが、ギャンブラーだからか?農村で暮らすヒロアキさん。年収100万で悠々自適。日本人は真四角でルールに縛られた会社人生を送る人が多いので、これはカルチャーショック。著者の表現や描く人物像も魅力的だった。 …続きを読む
    James Hayashi
    2020年07月03日
    30人がナイス!しています
  • 様々な事情で中国に暮らす日本人「和僑」の話。マクロ的な観点での分析や大きなトレンドにはあまり触れられておらず、ごく特殊な人々の生態をネタ的に記した一冊でした。それなりに興味深い点もありますが、全体的に 様々な事情で中国に暮らす日本人「和僑」の話。マクロ的な観点での分析や大きなトレンドにはあまり触れられておらず、ごく特殊な人々の生態をネタ的に記した一冊でした。それなりに興味深い点もありますが、全体的には行き当たりばったりな感が否めない、週刊誌やネットの記事レベルの内容。とは言え和僑たちの生態を通じ、今の中国の実態を垣間見る事ができた様には思います。国家レベルでは色々とヤバそうな国ですが、末端の民衆レベルでは前近代的な面も多々ある不思議な国です。 …続きを読む
    piro
    2019年12月03日
    23人がナイス!しています
  • 出産前に単行本を見て読みたいと思いつつ忘れていたら文庫化した。ありがたいことだ。直後の感想としては、2012年刊行なのに既に懐かしさの漂う中国。文庫本あとがきにあるように胡錦濤から習近平へと替わった影響は 出産前に単行本を見て読みたいと思いつつ忘れていたら文庫化した。ありがたいことだ。直後の感想としては、2012年刊行なのに既に懐かしさの漂う中国。文庫本あとがきにあるように胡錦濤から習近平へと替わった影響は大きいと感じた。それぞれのエピソードは興味深いのだけれど何か物足りない。違う景色を描けそうなのに、この程度で終わらせてもったいないという感じがする。著者は普通感覚を保っている良さもあるのだが、悪く言うとフツー過ぎてつまらない。素材を料理しきれていない感じが募る。新刊を購入するかは迷うところ。 …続きを読む
    小鈴
    2016年05月11日
    18人がナイス!しています

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