夜に啼く鳥は

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2016年09月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784041037294

夜に啼く鳥は

  • 著者 千早 茜
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2016年09月02日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
256
ISBN:
9784041037294

かつて、これほど美しくて哀しい“化け物”がいただろうかーー。

古来、傷みや成長を食べる「蟲(むし)」を体内に宿す不老不死の一族があった。その一族は地図にのらない里で、長い間、人目をはばかって暮らしていた。里の岬には、八百比丘尼とも言われる”シラ”という一族の祖を祀っていた。その末裔のなかでも強大な力を得た御先【みさき】は、どんな傷も病も治す能力を持ち、150年以上生きているとは思えぬ10代のままのような美しさで、ふたなりの身体を持ち、性別はもはや定かでない存在として畏れられてきた。今では、時の権力者の施術を生業として暮らしている御先だったが、付き人だった玄孫【やしゃご】の雅親【まさちか】をつき離し、一族の里を離れ、夜の店で働いていた傍系の四【よん】と行動をともにするようになり、ある”事件”に巻き込まれることになり……。主人公たちの過去と今が交錯し、時代を超えて現れる愛しい人……。不老不死の一族の末裔が現代の都会に紛れ込む――妖しくも美しく、そして哀しい現代奇譚。 泉鏡花文学賞受賞作家が挑む新境地。カバー挿画は、中村明日美子さんが担当。 古来、傷みや成長を食べる「蟲(むし)」を体内に宿す不老不死の一族があった。その一族は地図にのらない里で、長い間、人目をはばかって暮らしていた。里の岬には、八百比丘尼とも言われる”シラ”という一族の祖を祀っていた。その末裔のなかでも強大な力を得た御先【みさき】は、どんな傷も病も治す能力を持ち、150年以上生きているとは思えぬ10代のままのような美しさで、ふたなりの身体を持ち、性別はもはや定かでない存在として畏れられてきた。今では、時の権力者の施術を生業として暮らしている御先だったが、付き人だった玄孫【やしゃご】の雅親【まさちか】をつき離し、一族の里を離れ、夜の店で働いていた傍系の四【よん】と行動をともにするようになり、ある”事件”に巻き込まれることになり……。主人公たちの過去と今が交錯し、時代を超えて現れる愛しい人……。不老不死の一族の末裔が現代の都会に紛れ込む――妖しくも美しく、そして哀しい現代奇譚。 泉鏡花文学賞受賞作家が挑む新境地。カバー挿画は、中村明日美子さんが担当。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

シラ 
はばたき
梟(ふくろう)
ひとだま
かみさま
躑躅(つつじ) *書き下ろし

「夜に啼く鳥は」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 不老不死の一族が、愛しい人を探し続けて、、、というファンタジー&連作短編集。著者名で飛びついてしまったが、期待・予想とまったく違う内容であった。こういう表紙画、最近流行ってるのかしら。 不老不死の一族が、愛しい人を探し続けて、、、というファンタジー&連作短編集。著者名で飛びついてしまったが、期待・予想とまったく違う内容であった。こういう表紙画、最近流行ってるのかしら。
    ミカママ
    2018年04月07日
    275人がナイス!しています
  • 北海道生まれの「泉鏡花文学賞」&「島清恋愛文学賞」受賞作家、千早さんのファンタジー作品です。『魚神』や『あやかし草子』テイストな作品なので個人的には『からまる』や『眠りの庭』『あとかた』テイストな作品 北海道生まれの「泉鏡花文学賞」&「島清恋愛文学賞」受賞作家、千早さんのファンタジー作品です。『魚神』や『あやかし草子』テイストな作品なので個人的には『からまる』や『眠りの庭』『あとかた』テイストな作品のほうを期待していました。読み進めていくと、確かにある意味若干恐ろしい部分はありますが、そこはやはりさすがの千早さん、うっとりするようなキレイな文体で流れるように儚さや悲哀を見事にまとめあげています。この手の作風だと読んでいて情景が想像しづらい作品も少なくはありませんが、本作はイメージしやすい作品でした。 …続きを読む
    おしゃべりメガネ
    2016年10月15日
    191人がナイス!しています
  • 哀しく美しく妖しい雰囲気で泉鏡花賞を受賞されている千早茜さんらしい作品。『魚神』『あやかし草子』のような香り漂う。蟲を宿し永遠に死ぬことのない一族の御先(ミサキ)。様々な哀しい記憶と共に永遠に続く命。 哀しく美しく妖しい雰囲気で泉鏡花賞を受賞されている千早茜さんらしい作品。『魚神』『あやかし草子』のような香り漂う。蟲を宿し永遠に死ぬことのない一族の御先(ミサキ)。様々な哀しい記憶と共に永遠に続く命。とても苦しく切ない。四(ヨン)の飾らない明るい人柄に救われる。四とは対照的な雅親の存在も良かった。書き下ろしの最終章が特に切なくて、とても胸に沁みる。千早茜さんの現代風の作品も大好きですが今作のようなファンタジー系の作品も素敵。暗闇で青緑に光る蟲たちが幻想的。繊細で妖艶な世界観。哀しく美しく愛おしい現代奇譚。 …続きを読む
    ❁かな❁
    2016年10月22日
    189人がナイス!しています

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