二重生活

映画化作品

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2015年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
416
ISBN:
9784041036204
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映画化作品

二重生活

  • 著者 小池 真理子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2015年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
416
ISBN:
9784041036204

他人を尾行し、秘密を知ること――それは、震えるほどの興奮。

大学院生の珠は、ある思いつきから近所に住む男性・石坂を尾行、不倫現場を目撃する。他人の秘密に魅了された珠は観察を繰り返すが、尾行は徐々に珠自身と恋人の関係にも影響を及ぼしてゆき――。蠱惑のサスペンス! 大学院生の珠は、ある思いつきから近所に住む男性・石坂を尾行、不倫現場を目撃する。他人の秘密に魅了された珠は観察を繰り返すが、尾行は徐々に珠自身と恋人の関係にも影響を及ぼしてゆき――。蠱惑のサスペンス!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「二重生活」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ボードリヤールの引用から始まり、ソフィ・カルへと教養度はとっても高い。ただ、ソフィ・カルのそれはあくまでも芸術であり、その限りにおいて非日常の領域に属するのだが、珠の行動は日常の延長である点において決 ボードリヤールの引用から始まり、ソフィ・カルへと教養度はとっても高い。ただ、ソフィ・カルのそれはあくまでも芸術であり、その限りにおいて非日常の領域に属するのだが、珠の行動は日常の延長である点において決定的に違っている。すなわち本書はボードリヤールを踏まえつつ、それを通俗化する試みである。それにしても、こんな風に小説に仕立て上げるのは実に上手い。時に小池真理子60歳なのだが、まだまだ感覚的にも若々しくスタイリッシュな健在ぶりを誇示している。エンディングは物足りなさを感じないでもないが、これしかないようだ。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2020年10月07日
    472人がナイス!しています
  • 赤の他人を尾行し素行を観察することで思わぬ秘密を盗み見る、そんな行為に魅せられた主人公。余計な感情移入はせず知り得た事実のみを客観的に記録するに留めるはずが、想定外の展開の連続に自身の生活が危うく翻弄 赤の他人を尾行し素行を観察することで思わぬ秘密を盗み見る、そんな行為に魅せられた主人公。余計な感情移入はせず知り得た事実のみを客観的に記録するに留めるはずが、想定外の展開の連続に自身の生活が危うく翻弄されていく。一見エキセントリックにも思えるが、他人の秘密を知ることは背徳的であると同時に愉悦を覚える行為には違いない。読書することも然り、様々な人の人生を追体験できるという点で快楽の種類は似ているのかもしれない。降り積もる猜疑心にサスペンスフルな展開、思わず昔の自分と重ねてしまう臨場感。小池さん、流石です。 …続きを読む
    🐾Yoko Omoto🐾
    2016年05月14日
    160人がナイス!しています
  • ゼミで識った「文学的・哲学的尾行」を実行する院生、珠。それ自体意味のない尾行、ねぇ。哲学ってその大義名分を盾に本来在るべき理屈を煙に巻くというか、往々にして日常生活者をバカにしてるよね。…そこはこの作 ゼミで識った「文学的・哲学的尾行」を実行する院生、珠。それ自体意味のない尾行、ねぇ。哲学ってその大義名分を盾に本来在るべき理屈を煙に巻くというか、往々にして日常生活者をバカにしてるよね。…そこはこの作品の論点じゃなく、所詮は小説なのだけど。つい個人的体験が脳裏をよぎり、被尾行者を襲う恐怖感の方に気を取られてしまった。長谷川博己の演じる石坂(の性的魅力)が観たい。以下引用▼結局、壊す必要のない自分を壊してしまうのは、妄想なのだ。▼本当に厭世的な人間ほど、そういう世間並みの人生を送りたがるもんじゃないか? …続きを読む
    M
    2016年08月24日
    123人がナイス!しています

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著者紹介

小池 真理子(こいけ まりこ)

1952年東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編および短編集部門)、96年「恋」で第114回直木賞、98年「欲望」で第5回島清恋愛文学賞、2006年「虹の彼方」で第19回柴田錬三郎賞、12年「無花果の森」で第62回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)、13年「沈黙のひと」で第47回吉川栄治文学賞を受賞。「無伴奏」「存在の美しい哀しみ」「怪談」「千日のマリア」「モンローが死んだ日」など著書多数。

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