汝、ふたつの故国に殉ず ―台湾で「英雄」となったある日本人の物語―

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2016年12月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
372
ISBN:
9784041035382

汝、ふたつの故国に殉ず ―台湾で「英雄」となったある日本人の物語―

  • 著者 門田 隆将
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2016年12月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
372
ISBN:
9784041035382

門田隆将、渾身の最新作登場!

台湾で、その命日が「正義と勇気の日」に制定された日本人がいた――。日本と台湾の絆を表す「英雄」が歩んだ苦難と感動の物語。史上初の「日台」同時発売ノンフィクション!

1895年、ひとりの若者が台湾を目指して故郷・熊本をあとにした。台湾の治安維持と発展に尽くすためである。やがて台湾女性と家庭を築いた彼は、のちに「英雄」と呼ばれる男の子をもうけた。しかし、戦後の台湾の悲劇は、一家を動乱に巻き込んでいく。日本と台湾の“絆”を表わす「5代120年」にわたる壮大な一族の物語――。

「私には大和魂の血が流れている」「台湾人、万歳!」。台湾最大の悲劇となった1947年の「二二八事件」で、そう叫んで、永遠の眠りについた英雄がいた。坂井徳章弁護士(台湾名・湯徳章)である。父親は日本人、母親は台湾人で、生まれながらにして日本と台湾の“絆”を表わす人物である。父を早くに亡くした徳章は、貧困の中、辛酸を舐めながら勉学に励み、ついに当時の最難関国家試験である高等文官司法科と行政科の試験に両方合格する。

帝都・東京から故郷・台南へ帰り、台湾人の人権確立のために活動する中、徳章は国民党政府の「二二八事件」弾圧から台南市民を救うために奔走する。自らの身を犠牲にしながら、多くの市民を助けた徳章は、50年後に忽然と“復活”する。苦難の道を歩んだ台湾と、なぜ今も台湾人が日本と日本人をこれほど愛してくれているのか、その根源を解き明かした感動の歴史ノンフィクション――。

(プロローグより)
私は、蔡英文女史の姿と、歓喜で彼女の勝利を讃えた台湾人たちを見ながら、ここに辿りつくまでの「苦難の歴史」に思いを馳せずにはいられなかった。この勝利がもたらされるまでに、一体、どれほどの犠牲が必要だったのだろうか、と。そして、これまで流されてきた多くの、そして貴重な、血と涙を決して忘れてはいけない、と。勇気、信念、忍従、闘志、正義……先人たちが示しつづけた無形の財産こそ、台湾人の誇りだ。その多くの先人たちの中で、際立った光を放ち、日本人であり、同時に台湾人でもあった「一人の英雄」のことを、私は考えていた。もし、生きていたら、「この日」を彼は、どう迎えただろうか、と。
台湾で、その命日が「正義と勇気の日」に制定された日本人がいた――。日本と台湾の絆を表す「英雄」が歩んだ苦難と感動の物語。史上初の「日台」同時発売ノンフィクション!

1895年、ひとりの若者が台湾を目指して故郷・熊本をあとにした。台湾の治安維持と発展に尽くすためである。やがて台湾女性と家庭を築いた彼は、のちに「英雄」と呼ばれる男の子をもうけた。しかし、戦後の台湾の悲劇は、一家を動乱に巻き込んでいく。日本と台湾の“絆”を表わす「5代120年」にわたる壮大な一族の物語――。

「私には大和魂の血が流れている」「台湾人、万歳!」。台湾最大の悲劇となった1947年の「二二八事件」で、そう叫んで、永遠の眠りについた英雄がいた。坂井徳章弁護士(台湾名・湯徳章)である。父親は日本人、母親は台湾人で、生まれながらにして日本と台湾の“絆”を表わす人物である。父を早くに亡くした徳章は、貧困の中、辛酸を舐めながら勉学に励み、ついに当時の最難関国家試験である高等文官司法科と行政科の試験に両方合格する。

帝都・東京から故郷・台南へ帰り、台湾人の人権確立のために活動する中、徳章は国民党政府の「二二八事件」弾圧から台南市民を救うために奔走する。自らの身を犠牲にしながら、多くの市民を助けた徳章は、50年後に忽然と“復活”する。苦難の道を歩んだ台湾と、なぜ今も台湾人が日本と日本人をこれほど愛してくれているのか、その根源を解き明かした感動の歴史ノンフィクション――。

(プロローグより)
私は、蔡英文女史の姿と、歓喜で彼女の勝利を讃えた台湾人たちを見ながら、ここに辿りつくまでの「苦難の歴史」に思いを馳せずにはいられなかった。この勝利がもたらされるまでに、一体、どれほどの犠牲が必要だったのだろうか、と。そして、これまで流されてきた多くの、そして貴重な、血と涙を決して忘れてはいけない、と。勇気、信念、忍従、闘志、正義……先人たちが示しつづけた無形の財産こそ、台湾人の誇りだ。その多くの先人たちの中で、際立った光を放ち、日本人であり、同時に台湾人でもあった「一人の英雄」のことを、私は考えていた。もし、生きていたら、「この日」を彼は、どう迎えただろうか、と。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「汝、ふたつの故国に殉ず ―台湾で「英雄」となったある日本人の物語―」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • はじめにを読んで難しそうだ・・と。でも数日かかるも、ページは最後まで捲った。一人の男の生き様を見せられたんだ。どうだ、今を生きる日本人よと問われている気がした。『坂井徳章』さん!台湾名は『湯徳章』氏! はじめにを読んで難しそうだ・・と。でも数日かかるも、ページは最後まで捲った。一人の男の生き様を見せられたんだ。どうだ、今を生きる日本人よと問われている気がした。『坂井徳章』さん!台湾名は『湯徳章』氏!自分の死(処刑)が台湾の未来の礎となるかもしれないと、たった一人死んでいった漢。日本の統治下から彼の大国に呑み込まれ、今まだ台湾が台湾だとは言えない国に、ふたつの祖国を持つ徳章さんの想いが脈々と連なっていた事が胸を打つ。私にはやはり難しくはあったけれど最後はちょっと胸が熱くなって2016年の読み納めとなった。 …続きを読む
    いつでも母さん
    2016年12月31日
    89人がナイス!しています
  • 連れが何を思ったか投げ出した本であるのに、涙しました。“新たな支配者として蒋介石達がやって来ると言うのである…なぜ日本本土と同じ米軍の統治ではないのか。徳章は内地人と本島人が一緒になって築き上げてきた道 連れが何を思ったか投げ出した本であるのに、涙しました。“新たな支配者として蒋介石達がやって来ると言うのである…なぜ日本本土と同じ米軍の統治ではないのか。徳章は内地人と本島人が一緒になって築き上げてきた道徳・秩序・規律という社会の根本が崩されていくことを危惧したのである”☚やはり大陸中国人は古来から嘘つき凶暴残虐性、騙し等の資質なんですよ。“正義と勇気、湯徳章を表すのにこれ以上の相応しい言葉はない。自らの命を捨ててまで、人々の命を救った男。死に臨んで「大和魂」と「台湾人万歳!」と叫んだ男”☜嗚呼感動します。 …続きを読む
    keiトモニ
    2017年07月04日
    47人がナイス!しています
  • 図書館本。日本の植民地だった台湾は太平洋戦争後に日本の統治から外れた。中国本土から蒋介石の国民党軍が台湾に進駐するが、国民党は日本に代わって台湾を植民地にしたようなものだった。国民党は日本人に代わって 図書館本。日本の植民地だった台湾は太平洋戦争後に日本の統治から外れた。中国本土から蒋介石の国民党軍が台湾に進駐するが、国民党は日本に代わって台湾を植民地にしたようなものだった。国民党は日本人に代わって政府や官庁の要職に就き、杜撰な政府運営を始め行政機能が麻痺した。物価は高騰しインフレになり、台湾人の怒りが爆発する。国民党政府と台湾人との間の橋渡し役になろうとして逮捕され銃殺された男がいる。それがこの本の主人公。日本と台湾のハーフだ。日本名は坂井徳章、台湾名は湯徳章。台湾史の英雄である。 …続きを読む
    AICHAN
    2017年03月16日
    37人がナイス!しています

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