光炎の人[上]

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2016年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
400
ISBN:
9784041101452

光炎の人[上]

  • 著者 木内 昇
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2016年08月31日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
400
ISBN:
9784041101452

技術の発展は、善か悪か――。直木賞作家が放つ問題作!

時は明治。徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるに違いない。みなの暮らしを楽にしたい――。「電気は必ず世を変える」という確信を胸に、少年は大阪へ渡る決心をする。
時は明治。徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるに違いない。みなの暮らしを楽にしたい――。「電気は必ず世を変える」という確信を胸に、少年は大阪へ渡る決心をする。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

おすすめコメント

人の生んだ技術が、人を照らし、人を呑み込んでいく現代に問いかける大作。
――中江有里氏(女優・作家)

電気技術に魅せられた一人の技師の光と闇を描く重厚な作品。スリリングな展開で一気に読んでしまいました。
――山本博文氏(東京大学史料編纂所教授)

「光炎の人[上]」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 帯の「電気は、人々を救うのだ」に惹かれ。わたし自身、息子が電気をキャリアに選んでなければ無関心だった世界。あまりにも日常過ぎて。時代は明治後期、徳島の貧しい農村に育った音三郎が、機械に魅了され電気に関 帯の「電気は、人々を救うのだ」に惹かれ。わたし自身、息子が電気をキャリアに選んでなければ無関心だった世界。あまりにも日常過ぎて。時代は明治後期、徳島の貧しい農村に育った音三郎が、機械に魅了され電気に関わり、次第に無線機の開発にまでのめり込んでいく。まさに「もの狂い」のさまが、読者のリーダビリティを高める。一切の感情移入を許さぬ主人公だが、こういう人物あっての今日のスマホであり、AIなのだろう。わたし自身は未だに「電話」の仕組みすらわかっていない。今度息子に聞いてみよう(笑) …続きを読む
    ミカママ
    2020年07月11日
    478人がナイス!しています
  • 明治末期、徳島の山間部・貧しい葉煙草農家の三男として育った音三郎(あだ名はトザ)小学の授業を退屈に感じる程聡明でありながら、働き手として学校も辞め、いずれは二人の兄を差し置いて家業を富ます程度の欲しか 明治末期、徳島の山間部・貧しい葉煙草農家の三男として育った音三郎(あだ名はトザ)小学の授業を退屈に感じる程聡明でありながら、働き手として学校も辞め、いずれは二人の兄を差し置いて家業を富ます程度の欲しかなかったトザ。その意識を変えたのは、幼馴染の利平が口減らしのため、親に決められた勤務先の工場で目にした石油発動機で正確に、力強く動く最新式の煙草刻み機械。利平と同じ工場を皮切りに、大阪の工場で電気ソケットのバネ板を独学で開発試みるトザ。書店から図書館と、専門技術を書物で学び、自腹で材料購入した問屋主人に→続 …続きを読む
    文庫フリーク@灯れ松明の火
    2017年04月09日
    141人がナイス!しています
  • 音三郎は、徳島の山村から口減らしのために池田の工場に働きに出、その後、大阪に移り住んで職工として日々を過ごす。「電気」の不思議に取りつかれ、やがて電気通信機の開発に乗り出す。家族、親戚、友人などとの繋 音三郎は、徳島の山村から口減らしのために池田の工場に働きに出、その後、大阪に移り住んで職工として日々を過ごす。「電気」の不思議に取りつかれ、やがて電気通信機の開発に乗り出す。家族、親戚、友人などとの繋がりを捨て、新しい技術の開発に全身全霊を傾ける主人公の姿は、明治後期から大正時代の「国を富ませる」ことに心血を注いだ多くの人々の下層の代表として描かれている。名作「櫛挽道守」と比べると説明が多く冗長な感がある。しかし、「職人」を描く骨太の作風は、今後の進化を期待させる。飯嶋和一さんのような作品を書いてほしい。 …続きを読む
    藤枝梅安
    2016年09月10日
    119人がナイス!しています

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著者紹介

木内 昇(きうち・のぼり)

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

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