インドクリスタル

第10回 中央公論文芸賞受賞作

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年12月22日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
544
ISBN:
9784041013526

第10回 中央公論文芸賞受賞作

インドクリスタル

  • 著者 篠田 節子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年12月22日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
544
ISBN:
9784041013526

因習と開発、資本と搾取の間で揺れるインドが舞台のビジネス冒険エンタメ!

人工水晶開発の為、マザークリスタルの買い付けを行う山峡ドルジェ社長・藤岡。インドの村の宿泊先で使用人兼売春婦をしていた少女ロサを救い出し、村人と交渉・試掘を重ねる中で思いがけない困難に次々と直面する。 人工水晶開発の為、マザークリスタルの買い付けを行う山峡ドルジェ社長・藤岡。インドの村の宿泊先で使用人兼売春婦をしていた少女ロサを救い出し、村人と交渉・試掘を重ねる中で思いがけない困難に次々と直面する。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

舞台紹介

藤岡

山峡ドルジェの社長。実は婿養子。惑星探査機用の超高性能水晶振動子の開発のため、その鍵を握る水晶の原石を求めて、インドの村まで出向く。

徳永

山峡ドルジェの取引先で、藤岡の前職場でもある狭間通信科学の社員。デリー近郊の営業所に駐在しており、藤岡のガイド役をつとめる。

サミル・ナヤル

クントゥーニの貴石加工販売業者。

ロサ

使用人兼売春婦として働いていたところを藤岡に助け出された少女。脇腹から足にかけて、大きな傷跡があり、驚異的な記憶力を持つ。

アシシュ・チョードリー

ブバネシュワールにある採掘会社、ビシュヌ・ミネラル社の社長。

ジョン・ドナヒュー

先住民の支援を目的とした国際NGO「サンガ・リサーチ(SR)」に属するイギリス人男性。

ロケス

コドゥリ村の先住民の男。鉱物の目利き。

カメシュワール

コドゥリ村の老地主。水晶の採掘権を持つ。

ラージェンドラ

コドゥリ村の地主・カメシュワールの息子。クントゥーニ近郊のスラムでテレビの販売取り付け業を営む。

マンガル

コドゥリ村の村長。山峡ドルジェの後押しで採掘権を取得し、村の水晶採掘を産業化する。

バゲル

自称芸術家で、州議会議員選挙に立候補する。先住民の工芸家。

おすすめコメント

インドの土俗とグローバル経済が闇の奥で激突する、桁外れのアジアン・ノワールだ!
――高野秀行(ノンフィクション作家)

ヒロイン像が圧巻だ。ラストまで一気読みの傑作である。
――北上次郎(「本の旅人 2015年1月号」書評より)

世界は善悪の二元論では収まらないことを、この小説は強く訴えかけてくる。
――垣根涼介(作家)

この本は、そう遠くはない未来に大勢の日本人が直面するであろう現実を残酷なまでに示す「グローバル・ミステリ」だ。
――石井光太(作家)

インド取材滞在記

デビュー25周年記念作品として、インドを舞台にしたビジネス冒険大作『インドクリスタル』を書き上げた篠田節子さん。意外にもこの本のための取材で初めてインドに足を踏み入れたという篠田さんに、特別に取材旅行記を書き下ろしていただきました。(「本の旅人 2015年1月号」より)


おすすめコメント

インドの土俗とグローバル経済が闇の奥で激突する、桁外れのアジアン・ノワールだ!
――高野秀行(ノンフィクション作家)

ヒロイン像が圧巻だ。ラストまで一気読みの傑作である。
――北上次郎(「本の旅人 2015年1月号」書評より)

世界は善悪の二元論では収まらないことを、この小説は強く訴えかけてくる。
――垣根涼介(作家)

この本は、そう遠くはない未来に大勢の日本人が直面するであろう現実を残酷なまでに示す「グローバル・ミステリ」だ。
――石井光太(作家)


プロモーションムービー

『インドクリスタル』 インタビュー動画

「インドクリスタル」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 篠田節子氏は、やはり現代屈指の物語作家だと思う。本書は実に構想5年。インド、水晶、先住民と並べると、なんだか三題噺のようだが、彼女はそこに見事な結晶世界を形作っていった。そして、その結晶の中を覗き込む 篠田節子氏は、やはり現代屈指の物語作家だと思う。本書は実に構想5年。インド、水晶、先住民と並べると、なんだか三題噺のようだが、彼女はそこに見事な結晶世界を形作っていった。そして、その結晶の中を覗き込むと、そこは多彩さと混沌の織り成す万華鏡のような世界だ。何時、どんな立場で、どんな風に訪れるかで、全く違った相貌を見せるインド。私たち読者は藤岡とともに、インドに翻弄され続けることになる。そして、読み終わった時にはすっかりインドのカオスに魅了されている自分に気が付くのである。余韻を残す終わり方がまた素晴らしい。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2016年12月28日
    448人がナイス!しています
  • 僕の精神状態は、絵画や彫刻といった圧倒的な芸術作品を前に絶句している様相に近い。底知れぬ混淆を内包する深遠なるインドという巨象…そのカースト制度の非人道性を垣間見せ『ゴサインタン』のスピリチュアル性と 僕の精神状態は、絵画や彫刻といった圧倒的な芸術作品を前に絶句している様相に近い。底知れぬ混淆を内包する深遠なるインドという巨象…そのカースト制度の非人道性を垣間見せ『ゴサインタン』のスピリチュアル性と『弥勒』のプリミティブな精神性の要素を織り込み、高性能水晶振動子ビジネスの綿密な描写による隙の無いリアリティが、企業小説としての凄みをも包含する。相反する冷厳と熱情が混在する丹念な心理描写と、胆力溢れるこれまでの渾身作を凌駕する精緻な構成。本著は篠田作品の一つの到達点ではなかろうか。多くの方に読んで頂きたい。 …続きを読む
    みも
    2020年10月19日
    219人がナイス!しています
  • 凄かった。まだ興奮冷めやらない。今年は冊数こそ少ないものの当たりが多い!性善説でも性悪説でも、紋切り型には割り切れないインドの社会。主人公と社会の対立の構図はこれでもかと胸に迫ってくる。人間の奥深さを 凄かった。まだ興奮冷めやらない。今年は冊数こそ少ないものの当たりが多い!性善説でも性悪説でも、紋切り型には割り切れないインドの社会。主人公と社会の対立の構図はこれでもかと胸に迫ってくる。人間の奥深さを思い知らされる。平和でうわべの綺麗事にならされた人間には見えなくなった真実がここにはあるのだろうか。山を登って息も絶え絶えの時こそその人の本性が解ると言う。それに近い悟りを得た気がする。オススメ本 …続きを読む
    absinthe
    2017年02月14日
    209人がナイス!しています

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著者紹介

篠田 節子(しのだ せつこ)

1955年東京生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。
97年『ゴサインタン―神の座―』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『夏の災厄』『第4の神話』『ブラックボックス』『長女たち』など多数。

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