オリンピックの身代金(上)

2009年 第43回 吉川英治文学賞

オリンピックの身代金(上)

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2011年09月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
448
ISBN:
9784043860043
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2009年 第43回 吉川英治文学賞

オリンピックの身代金(上)

  • 著者 奥田 英朗
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2011年09月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
448
ISBN:
9784043860043

「これが私の現時点での最高到達点です」奥田英朗

昭和39年夏、オリンピック開催を目前に控えて沸きかえる東京で相次ぐ爆破事件。警察と国家の威信をかけた捜査が極秘のうちに進められる。圧倒的スケールで描く犯罪サスペンス大作! 吉川英治文学賞受賞作。 昭和39年夏、オリンピック開催を目前に控えて沸きかえる東京で相次ぐ爆破事件。警察と国家の威信をかけた捜査が極秘のうちに進められる。圧倒的スケールで描く犯罪サスペンス大作! 吉川英治文学賞受賞作。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「オリンピックの身代金(上)」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 悲しくも切ない物語。東京オリンピックの年、1964年を舞台に選んだということは、奥田英郎がこの年を日本のその後を決する大きなターニングポイントだと見ているからだろう。戦後は概ね清算され(沖縄の本土復帰は19 悲しくも切ない物語。東京オリンピックの年、1964年を舞台に選んだということは、奥田英郎がこの年を日本のその後を決する大きなターニングポイントだと見ているからだろう。戦後は概ね清算され(沖縄の本土復帰は1972年だが)、日本がアメリカ型の多国籍資本主義社会への道を踏み出したのは確かにこの時期であったのかもしれない。小説の構造は一部特権階級と企業が上層部を成し、オリンピックを歓迎するおめでたい大衆がこれを無意識に支え、その下部には顧みられることのない底辺のプロレタリアートと、秋田に代表される依然として⇒ …続きを読む
    ヴェネツィア
    2023年01月04日
    493人がナイス!しています
  • 昭和39年、オリンピック間近の東京を舞台に、爆破事件の犯人・島崎と捜査側刑事・落合の二本柱を中心に進んで行く物語。時折、他の目線が入って戸惑うが、本筋へ繋げて複合的に見せているのは巧い。更に特徴的なのは 昭和39年、オリンピック間近の東京を舞台に、爆破事件の犯人・島崎と捜査側刑事・落合の二本柱を中心に進んで行く物語。時折、他の目線が入って戸惑うが、本筋へ繋げて複合的に見せているのは巧い。更に特徴的なのは島崎と落合の時系に1ヶ月程のズレがあって、心情と現象を交互に理解しながら読み進められる事…これは落合が変化してゆく過程でもあり、犯行に至る動機が段々と判るのが面白い。私が物心つく前なのに何故か既視感がある「古き良き東京」が懐かしいが、今や社会問題である「格差」が既に始まっていたのを悲しみつつ、下巻へ進む。 …続きを読む
    しんたろー
    2019年11月21日
    206人がナイス!しています
  • 前のめりになって読み耽った「罪の轍」同じ捜査チームが登場する作品があると知り、読書バーからお借りしてきた。昭和39年、東京オリンピック。私は3歳になっており、自宅には白黒テレビがあったはずだが、全く記憶に 前のめりになって読み耽った「罪の轍」同じ捜査チームが登場する作品があると知り、読書バーからお借りしてきた。昭和39年、東京オリンピック。私は3歳になっており、自宅には白黒テレビがあったはずだが、全く記憶にはない。凄まじい勢いで経済は発展し、開発は進み、でもその恩恵を受ける者と持たざる者たちの格差も広がっていく。東大の院生島崎と、刑事落合の視点が交互に繰り返される章立てだが、ん?よく見たら1ヶ月ずれているんだ!徐々に明らかになる連続爆破犯の姿、高まる緊張感、読ませるなあ。このまま、下巻になだれ込む。 …続きを読む
    みっちゃん
    2019年11月26日
    178人がナイス!しています

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