宇宙エンジン

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2012年08月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784041004418
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宇宙エンジン

  • 著者 中島 京子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2012年08月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
368
ISBN:
9784041004418

父は70年代に失踪。祖母は亡くなり、母の記憶は壊れ始めた。

身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待を受けた隆一は、ミライと出逢う。ミライは、人嫌いだった父親を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、2つのあだ名だけ。失われゆく時代への郷愁と哀惜を秘めた物語。 身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待を受けた隆一は、ミライと出逢う。ミライは、人嫌いだった父親を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、2つのあだ名だけ。失われゆく時代への郷愁と哀惜を秘めた物語。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「宇宙エンジン」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • タイトルからはSFを想像していた。例えば、星新一の書くような明るく軽快なタッチの。実際は全く違っていて、そもそも「エンジン」はengineのことではなく、厭人であった。小説の構造はいささか変わっている。ミライ タイトルからはSFを想像していた。例えば、星新一の書くような明るく軽快なタッチの。実際は全く違っていて、そもそも「エンジン」はengineのことではなく、厭人であった。小説の構造はいささか変わっている。ミライに代わって、彼女が顔も知らない厭人の父親を捜す隆一が、その経過を作家である「私」に話し、それを私が書いているのである。こんな構造にしたのは、おそらく本編が世代の断絶と、不思議な継続とを描こうとしたためだろう。1970年代と現代(2009年)とである。そして、それに続いてゆくミライも。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2021年12月06日
    337人がナイス!しています
  • 宇宙エンジンと聞いて、宇宙猿人ゴリ?と思ったら、まさかの、本当にそうだった。その風貌から、「ゴリ」と呼ばれていた、宇宙的規模の厭人(エンジン)家の男。それが、スペクトルマンの敵、宇宙猿人ゴリになぞられ 宇宙エンジンと聞いて、宇宙猿人ゴリ?と思ったら、まさかの、本当にそうだった。その風貌から、「ゴリ」と呼ばれていた、宇宙的規模の厭人(エンジン)家の男。それが、スペクトルマンの敵、宇宙猿人ゴリになぞられる。この男性が父親ではないかと思っているミライと、かつて、ミライの母親が1年だけやっていた幼稚園の元園児、隆一が、ゴリとはどんな男なのかを探る物語も、その過程で、何故だか詳細が語られる、宇宙猿人ゴリとスペクトルマンについての蘊蓄がおかしい。幼い頃、スペクトルマンを見ていたが、こんな奥深い(?)話だったか(笑) …続きを読む
    いたろう
    2023年05月30日
    59人がナイス!しています
  • エンジンってかたかなで書かれると動力の方と思うよね。ところがこのエンジンはそれではなくもちろん猿人でもなく、厭人のこと。簡単にいうと人嫌いとなるけれどでも違う。もっと奥が深くて入り組んでいてこんがらが エンジンってかたかなで書かれると動力の方と思うよね。ところがこのエンジンはそれではなくもちろん猿人でもなく、厭人のこと。簡単にいうと人嫌いとなるけれどでも違う。もっと奥が深くて入り組んでいてこんがらがっている。ひょんなことからこの厭人といわれる男性探しに関わることとなった主人公。とてもいいやつ。好奇心もあるかもしれないけれど、いいやつだから絡まった糸がほぐされていくんだろうなあ。人と人とのつながり、過去を確かめ今につなげる力に溢れている一冊。そしてここにもひょこひょこおじさんがいて。世の中は繋がっている。 …続きを読む
    shizuka
    2017年06月20日
    49人がナイス!しています

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