墓頭

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2012年12月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
544
ISBN:
9784048741132

墓頭

  • 著者 真藤 順丈
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2012年12月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
544
ISBN:
9784048741132

頭のなかの死体をいかにして出すか。その命題に貫かれた男の数奇な人生とは

頭に巨大な瘤を抱え生まれたボズ。瘤の中には双子の片割れの死体が埋まっていた。異能の子供を集めた施設に収容され育つが、彼の周囲には常に死の影があった。50年以上にわたる男の数奇な人生を描く。 頭に巨大な瘤を抱え生まれたボズ。瘤の中には双子の片割れの死体が埋まっていた。異能の子供を集めた施設に収容され育つが、彼の周囲には常に死の影があった。50年以上にわたる男の数奇な人生を描く。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

おすすめコメント

小説にできること。小説でしかできないこと。
真藤順丈は苛烈な昂奮を書物という墓石に刻む。容赦はない。
――京極夏彦(作家)

すべてが過剰。すべてが本物。凄すぎるヒーローの凄すぎる一代記。
ボズ、あんたは最高だ!
――大森望(書評家)

すべてマイナスから出発したような人間が、腐った世の中のなかの中心を抜く。
これは真藤順丈版の『地獄の黙示録』だ。
――平山夢明(作家)

「墓頭」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 凄い小説だ。頭のコブに双子の兄弟の死体を埋めたまま生まれ、少年時代はその容貌を隠すため麻袋を被って過ごし、後にその由来故に墓頭(ボズ)と呼ばれた男。彼の廻りには常に死が付き纏う。登場人物達の心情や物語の 凄い小説だ。頭のコブに双子の兄弟の死体を埋めたまま生まれ、少年時代はその容貌を隠すため麻袋を被って過ごし、後にその由来故に墓頭(ボズ)と呼ばれた男。彼の廻りには常に死が付き纏う。登場人物達の心情や物語の全てが理解できた訳ではない。然し乍ら、時折見せる繊細な筆致や圧倒的な破壊力を持ったこの奇妙で哀しく、美しい物語を紡ぎだした作者には、物書きでは無い自分でさえもその感性に嫉妬を覚えてしまう。作者の小説を読んだのはこれで5作目、どれも驚くような作品ばかり。当分目が離せない。 …続きを読む
    Bugsy Malone
    2017年02月16日
    76人がナイス!しています
  • まさに濃厚な一冊だった。頭の瘤に双子の死体を抱え、関わる者に死をもたらす男が辿る、戦後アジアの虐殺の歴史を舞台にした壮絶な人生の記録。少年時代を過ごす白鳥塾。そこで出会う美しい兄弟や、人心を弄する少年 まさに濃厚な一冊だった。頭の瘤に双子の死体を抱え、関わる者に死をもたらす男が辿る、戦後アジアの虐殺の歴史を舞台にした壮絶な人生の記録。少年時代を過ごす白鳥塾。そこで出会う美しい兄弟や、人心を弄する少年や様々な才能を持つ子供達。異形ゆえの疎外、行く先々に溢れる殺戮。圧倒されて読んだ。天才であるヒョウゴが神格化し、独裁者にシンボル化される墓頭のカリスマ性は頭の墓標と反する生命力と善悪を超然とした生き様に他ならない。凄惨な死と魂の触れ合い。終盤の切ない願いのような走馬灯の描写とユウジンの叫びに泣いた。⇒ …続きを読む
    ももっち
    2017年04月30日
    64人がナイス!しています
  • 真藤さん初読み。生まれながらに彼は墓だった─。鬼の子、麻袋を経て、やがて墓頭(ボズ)と呼ばれるようになった男の波乱に満ちた一代記。父親の失踪を調査する過程でボズの存在を知った語り手と探偵は、彼の足取り 真藤さん初読み。生まれながらに彼は墓だった─。鬼の子、麻袋を経て、やがて墓頭(ボズ)と呼ばれるようになった男の波乱に満ちた一代記。父親の失踪を調査する過程でボズの存在を知った語り手と探偵は、彼の足取りが途絶えたある島へと辿り着く。ボズの過去を辿る旅の水先案内人となる養蚕家は語り出す。彼のすべてを。過去と現在が交わる場所で、いくつもの謎が混沌のビジョンとなって読み手に襲いかかる。凄まじい熱量、凄まじい破壊力。理性的に真摯に狂うもの。感情的に無責任に狂うもの。それでも…死者とともに彼等は生きる。生き続ける。 …続きを読む
    *maru*
    2019年01月23日
    38人がナイス!しています

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著者紹介

真藤 順丈(しんどう じゅんじょう)

1977年東京都生まれ。2008年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞など、主要新人賞4賞を受賞し注目を集める。ほかの著書に『RANK』『バイブルDX』『畦と銃』『七日じゃ映画は撮れません』『しるしなきもの』『黄昏旅団』などがある。

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