霊性の文学 言霊の力

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2010年05月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
288
ISBN:
9784044094232
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霊性の文学 言霊の力

  • 著者 鎌田 東二
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2010年05月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
288
ISBN:
9784044094232

聖地を訪れる前に、不思議な力を秘めた言葉を読んでみよう。

言葉には、不思議な根源的創造力がある。たった1人の本当の神さまを探し求めた宮沢賢治、信仰と宗教の違いを問いかけた美輪明宏、自由の魅惑と苦悩を冷徹に突き詰めたドストエフスキー……。彼らのあらわす言葉には、人間、死者、そして自然界をも鎮める「言霊の力」がある。霊性を見つめる言葉をつないだ時、何が見えてくるのか。宗教・哲学・芸術の世界を自在に横断しながら、その底に流れる言霊の力を発見する。 言葉には、不思議な根源的創造力がある。たった1人の本当の神さまを探し求めた宮沢賢治、信仰と宗教の違いを問いかけた美輪明宏、自由の魅惑と苦悩を冷徹に突き詰めたドストエフスキー……。彼らのあらわす言葉には、人間、死者、そして自然界をも鎮める「言霊の力」がある。霊性を見つめる言葉をつないだ時、何が見えてくるのか。宗教・哲学・芸術の世界を自在に横断しながら、その底に流れる言霊の力を発見する。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

文庫版のためのまえがき

序 章 ジョバンニの生成
──銀河の「孔」を抜けて
宮沢賢治の言霊
孤独
銀河の「孔」と喪失
愛と世界、あるいは智慧と帰還

第一章 折口信夫
──呪力と魂乞ひ
「乞丐相」と鎮魂の文学
「まれびと」の文学
冥きナルシスの「口ぶえ」
「魂乞ひ」と『死者の書』
「魂呼ばひ」の声と言葉

第二章 三島由紀夫
──エロスとしての死
折口信夫と三島由紀夫の「不気味」
「最大の敵手」高橋和巳と三島由紀夫
美と金閣
『豊饒の海』の「輪廻転生」と何もない「庭」

第三章 中上健次
──「路地」の両義性
三島由紀夫から中上健次までの「日本」
「音の人」中上健次と天皇
エロスとタナトスの境界と他界の女
血と海の彼方へ

第四章 高橋和巳
──生涯にわたる阿修羅として
「捨子」からの出発
『邪宗門』──「捨子」の「世直し」運動
『日本の悪霊』──革命的精神の挫折と虚無
自己否定と自己解体の彼方へ

第五章 ドストエフスキー
──自由と聖性への「ふみ越え」
「自由」の「悲劇」
ヨハネ型の作家
新しい言葉と「ふみ越え」としての罪
自由と虚無の接線と距離

第六章 ニーチェ
──哄う預言者
虚無と自由の使徒「超人」ツァラトゥストラ
ドストエフスキーからニーチェへ──苦悩からの解放と孤独
哄う身体
アンチ・キリストの夢と狂気

第七章 バタイユ
──稲妻のエロティシズム
目玉のエロスと神学
『気狂いピエロ』と稲妻と虚空
死の魅惑と「過剰」
呪いと霊的交通

第八章 ロートレアモン
──殺人の神学
悪の文学と神への叛逆
マルドロールと酒鬼薔薇聖斗
マルドロールの「初恋」と悪のエロス
悪の詩篇と善の詩学

第九章 寺山修司
──「完全な死体」へ向かう言葉
マルドロールと演劇的想像力
地獄的想像力の行方
「完全な死体」をめざす生
生涯にわたるロートレアモン主義者として

第十章 美輪明宏
──美の信仰と仏性と
「毛皮のマリー」と『紫の履歴書』
寺山修司と三島由紀夫とマリア観音
「信仰」と「宗教」の違い
美と霊性と仏法

第十一章 宮内勝典
──始祖鳥のまなざし
九州の「火」と異界遍歴の文学
「南風」に乗って異界を目指す「始祖鳥」
など

第十二章 山尾三省
──三つ星の祈り
土と風の光学
新神仏習合論者として
など

第十三章 出口王仁三郎
──スサノヲぶりと大化物
オリオンと大宇宙の声音
など

終 章 包越としての霊性
──宮沢賢治における宗教と芸術と科学
宮沢賢治の宗教
など

あとがき
引用・参考文献

「霊性の文学 言霊の力」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 宗教哲学、神道学、民俗学の研究に携わってきた著者が中外日報に連載していた「宗教と文学」の内容に加筆したもの。14人の作家(宮沢賢治、折口信夫、三島由紀夫、中上健次、高橋和巳、ドストエフスキー、ニーチェ、 宗教哲学、神道学、民俗学の研究に携わってきた著者が中外日報に連載していた「宗教と文学」の内容に加筆したもの。14人の作家(宮沢賢治、折口信夫、三島由紀夫、中上健次、高橋和巳、ドストエフスキー、ニーチェ、バタイユ、ロートレアモン、寺山修司、三輪明宏、宮内勝典、山尾三省、出口王仁三郎)と作品についての評論。作者は、これらを「世界と現実の深淵と深遠を覗き込ませる「孔」としての文学」と表現している。「毒」になるか「薬」になるかは、著者の言う「霊性的な直観に風を送る言葉の力」に対する感性の有無によるのかもしれない。 …続きを読む
    アルピニア
    2022年01月29日
    44人がナイス!しています
  • 「三島由紀夫は、折口信夫に対して強い関心と独自の評価をもっていた。たとえば、三島の『三熊野詣』は折口信夫をモデルにした小説であるが、その中で黒い服を着た「先生」の一行が大学構内を歩く一種異様な姿を、学 「三島由紀夫は、折口信夫に対して強い関心と独自の評価をもっていた。たとえば、三島の『三熊野詣』は折口信夫をモデルにした小説であるが、その中で黒い服を着た「先生」の一行が大学構内を歩く一種異様な姿を、学生が「葬式が通る」と噂すると描写している。それはしかし、折口に対する三島なりの評価と敬意の表現だったのではないか。というのも、「死」を光源として文学活動を展開してきた三島からすれば、『死者の書』や「まれびと」論や貴種流離譚説を提唱した折口は、大変身近なところにいる先達だったに違いない」 …続きを読む
    うえ
    2018年07月21日
    8人がナイス!しています
  • 折口信夫、三島由紀夫の章のみ。 折口信夫、三島由紀夫の章のみ。
    のり
    2018年11月10日
    4人がナイス!しています

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