複雑な彼

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2009年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
400
ISBN:
9784041212127
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複雑な彼

  • 著者 三島 由紀夫
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2009年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
400
ISBN:
9784041212127

彼女が恋した男は、ワケありすぎた!

森田冴子は国際線ステュワード・宮城譲二の精悍な背中に魅せられた。だが、譲二はスパイだったとか保釈中の身だとかいう物騒な噂がある「複雑な」彼。やがて2人は恋に落ちるが……爽やかな青春恋愛小説。 森田冴子は国際線ステュワード・宮城譲二の精悍な背中に魅せられた。だが、譲二はスパイだったとか保釈中の身だとかいう物騒な噂がある「複雑な」彼。やがて2人は恋に落ちるが……爽やかな青春恋愛小説。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「複雑な彼」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 三島のいわば本格的な純文学を揃えている新潮文庫に対して、中間小説風の軽い三島をラインナップさせているのが角川文庫だ。これも、そうした角川の三島コレクションの1冊。タイトルからして軽快だ。主人公の譲二の 三島のいわば本格的な純文学を揃えている新潮文庫に対して、中間小説風の軽い三島をラインナップさせているのが角川文庫だ。これも、そうした角川の三島コレクションの1冊。タイトルからして軽快だ。主人公の譲二の造形は初めからリアリティを半ば放棄しているし、一方の冴子の方は典型的なブルジョアのお嬢様という設定。譲二の最後の秘密は想像通りだし、結末もかなりに荒唐無稽だが、三島らしいシニカルな終わり方だともいえる。三島の絶妙な「軽み」を楽しむ小説。それにしても、ゲイとおぼしき三島は女心を実によくわかっていると感心する。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2013年09月14日
    329人がナイス!しています
  • 途中で、これは三島由紀夫演出による、社長令嬢・冴子と純情で破天荒な男・譲二を主役に据えたサイコーの「喜劇のエンタ-テイメント」だと思った。周りの事情を気にかけないマイペースの冴子、でも熱の上がった彼に 途中で、これは三島由紀夫演出による、社長令嬢・冴子と純情で破天荒な男・譲二を主役に据えたサイコーの「喜劇のエンタ-テイメント」だと思った。周りの事情を気にかけないマイペースの冴子、でも熱の上がった彼に言わせると「オンナ雛をモダンにした女性」だそうだ。とにかく女性というものは、やさしく労われるのは大好きですが、男たちから顔色をチラチラとうかがわれるの嫌いなよううです。二人の恋の行方は、ぜひご自身でお確かめください。新たな三島小説に出合った楽しい一冊でした。 …続きを読む
    じいじ
    2022年02月02日
    98人がナイス!しています
  • 国際線のスチュワードの精悍な背中に魅せられた冴子。その青年・宮城譲二には数多くの噂話や逸話がある「複雑な彼」だった。惹かれ合う二人だが彼には明かせぬ秘密があってーー女性誌に連載されたライトな作品。譲二 国際線のスチュワードの精悍な背中に魅せられた冴子。その青年・宮城譲二には数多くの噂話や逸話がある「複雑な彼」だった。惹かれ合う二人だが彼には明かせぬ秘密があってーー女性誌に連載されたライトな作品。譲二が何でも卆なくこなせてしまう様はやや現実離れしているように感じたけれど実はモデルがいた事にびっくり。冴子が男性の背中を見て惚れてしまうのは、実は私にも覚えがある。譲二が抱える秘密は朧気ながら察しがついた。今の時代ファッションとして入れる人も多いけれどやはり刺青の昏いイメージは拭えない。彼の行く先は裏の世界か。 …続きを読む
    青蓮
    2016年07月31日
    85人がナイス!しています

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