杉田久女 美と格調の俳人

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2008年10月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784047034358
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杉田久女 美と格調の俳人

  • 著者 坂本 宮尾
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2008年10月10日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784047034358

謎と伝説につつまれた女性俳句の先駆者・杉田久女の初めての本格的評伝。

〈目次〉
はじめに──久女の自筆句稿を読みながら
1 大正時代
 一 生い立ち
   お茶の水高女卒業 小倉の町 新婚時代
   結婚の行き詰まり
 二 俳句との出会い
   台所雑詠 父の死 「耽美的に大胆に」
   日々の暮らしを詠む 離婚問題
2 昭和六年まで
 一 作句中断
   メソジスト教会入信 江津湖の中村汀女
   「夜あけ前に書きし手紙」 櫓山荘の橋本多佳子
   ノラともならず
 二 俳句に蘇る
   松山の俳句大会 女流俳句の評論
   夕顔を詠んだ句 帝国風景院賞
3 主催誌「花衣」
 一 昭和七年「花衣」の創刊
   「玉藻」の創刊 「花衣」創刊の辞
   春光碧天の創刊号 「花衣」第二号
   「花衣」第三号 「花衣」第四号・五号
 二 「花衣」時代の句
   菊枕 万葉の企救の紫池
   「ホトトギス」初巻頭・楊貴妃桜 遠賀川吟行
 三 「花衣」廃刊の経緯
   「天の川」の月評 神崎縷々との齟齬
   廃刊決意の背景 ホトトギス同人
4 昭和八年から十年まで
 一 筑紫風景を詠む
   昭和八年の日記 宇佐神宮五句
   筑前大島星の宮吟詠 香春神宮院 帆柱山
   企救の高浜 元寇防塁跡
 二 回想の句、連作への意欲
   鹿児島・琉球の回想の句 都府楼址
   野鶴飛翔の句 連作「稲佐の浜」
5 句集出版の難航
 一 まぼろしの句集「磯菜」
   序文懇請 処女句集と序文
   『葛飾』上梓のころの秋桜子 久女忌避の動き
   須磨寺の俳句大会 「俳句研究」掲載句
 二 徳富蘇峰の助力
   蘇峰からの手紙 書物展望社 虚子の渡仏
   ホトトギス同人削除 「墓に詣り度いと思つてをる」
6 同人削除以後
 一 失意の日々
   ユダともならず 『立子句集』の上梓
   最後の発表句 未発表の句 筆を折る
   句稿の整理
 二 周辺の女性俳人たち
   かな女の句集『雨月』 よきライバル汀女と立子
   しづの女の句集 多佳子の句集『海燕
   「選は創作なり」 久女の最晩年
7 「国子の手紙」再考
   創作「国子の手紙」 S氏の鴛鴦の句
   「名はとうといふ」 E女への嫉妬
   日本一の国子 句集出版問題から見た「国子の手紙」
8 久女の没後
 一 遺句集の出版
   遺句集刊行まで 虚子の序文
   久女の句集草稿
 二 不滅なるもの、創作者の魂
   久女伝説 「何人の言にも決して服従せず」
   結社と天才 「まことの写生」
おわりに
 選書版あとがき
 杉田久女略年譜
 主要参考文献
 引用句索引
〈目次〉
はじめに──久女の自筆句稿を読みながら
1 大正時代
 一 生い立ち
   お茶の水高女卒業 小倉の町 新婚時代
   結婚の行き詰まり
 二 俳句との出会い
   台所雑詠 父の死 「耽美的に大胆に」
   日々の暮らしを詠む 離婚問題
2 昭和六年まで
 一 作句中断
   メソジスト教会入信 江津湖の中村汀女
   「夜あけ前に書きし手紙」 櫓山荘の橋本多佳子
   ノラともならず
 二 俳句に蘇る
   松山の俳句大会 女流俳句の評論
   夕顔を詠んだ句 帝国風景院賞
3 主催誌「花衣」
 一 昭和七年「花衣」の創刊
   「玉藻」の創刊 「花衣」創刊の辞
   春光碧天の創刊号 「花衣」第二号
   「花衣」第三号 「花衣」第四号・五号
 二 「花衣」時代の句
   菊枕 万葉の企救の紫池
   「ホトトギス」初巻頭・楊貴妃桜 遠賀川吟行
 三 「花衣」廃刊の経緯
   「天の川」の月評 神崎縷々との齟齬
   廃刊決意の背景 ホトトギス同人
4 昭和八年から十年まで
 一 筑紫風景を詠む
   昭和八年の日記 宇佐神宮五句
   筑前大島星の宮吟詠 香春神宮院 帆柱山
   企救の高浜 元寇防塁跡
 二 回想の句、連作への意欲
   鹿児島・琉球の回想の句 都府楼址
   野鶴飛翔の句 連作「稲佐の浜」
5 句集出版の難航
 一 まぼろしの句集「磯菜」
   序文懇請 処女句集と序文
   『葛飾』上梓のころの秋桜子 久女忌避の動き
   須磨寺の俳句大会 「俳句研究」掲載句
 二 徳富蘇峰の助力
   蘇峰からの手紙 書物展望社 虚子の渡仏
   ホトトギス同人削除 「墓に詣り度いと思つてをる」
6 同人削除以後
 一 失意の日々
   ユダともならず 『立子句集』の上梓
   最後の発表句 未発表の句 筆を折る
   句稿の整理
 二 周辺の女性俳人たち
   かな女の句集『雨月』 よきライバル汀女と立子
   しづの女の句集 多佳子の句集『海燕
   「選は創作なり」 久女の最晩年
7 「国子の手紙」再考
   創作「国子の手紙」 S氏の鴛鴦の句
   「名はとうといふ」 E女への嫉妬
   日本一の国子 句集出版問題から見た「国子の手紙」
8 久女の没後
 一 遺句集の出版
   遺句集刊行まで 虚子の序文
   久女の句集草稿
 二 不滅なるもの、創作者の魂
   久女伝説 「何人の言にも決して服従せず」
   結社と天才 「まことの写生」
おわりに
 選書版あとがき
 杉田久女略年譜
 主要参考文献
 引用句索引

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「杉田久女 美と格調の俳人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 評伝と句鑑賞の均整がとれた佳品。師虚子との絶望的な齟齬はいたたまれないけれど、偏狭ならざる公正な書き方がこの 相性 の悲劇を興味深いジェンダー論にしている。著者も指摘する通り久女みたいなひとは割と珍しく 評伝と句鑑賞の均整がとれた佳品。師虚子との絶望的な齟齬はいたたまれないけれど、偏狭ならざる公正な書き方がこの 相性 の悲劇を興味深いジェンダー論にしている。著者も指摘する通り久女みたいなひとは割と珍しくなかったりする。一句一句の解説がまた良く、作句の背景や文法を介して句の描く絵が見えるように導いてくれる。自然の機微にかなり不感症な私のようなものには大助かり。久女の俳句はゆるぎない、ブリリアントな世界。 …続きを読む
    saksak
    2010年02月22日
    0人がナイス!しています
  • 精神病のレッテルを貼られ、それがゆえに伝説化された杉田久女。じっくり作品を味わってみると作者の言う通り、その俳句にかける退っ引きならない情熱、気高い知性が感じられる。その気高さがあるからこそ、対人関係 精神病のレッテルを貼られ、それがゆえに伝説化された杉田久女。じっくり作品を味わってみると作者の言う通り、その俳句にかける退っ引きならない情熱、気高い知性が感じられる。その気高さがあるからこそ、対人関係における不安定さ・両価性がさらに際だつ印象。精神性ではないと思うが、ボーダーライン性はあったのではないか。虚子に対する行動は見捨てられ不安やall or noneな考え方、序文を書いてくれなければ他の流派に鞍替えしても良いなどという操作性。 …続きを読む
    石橋
    2009年09月20日
    0人がナイス!しています

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