さいはての二人

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2005年04月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
176
ISBN:
9784041853108
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さいはての二人

  • 著者 鷺沢 萠
  • デザイン 渡辺 澪子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2005年04月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
176
ISBN:
9784041853108

――この男(ひと)は、あたしだ・・・。

あなたはあたし、あたしは、あなた。どこにでもいそうな中年男と、日本人離れしている容貌の二十六歳の女。寄り添い、抱き合い、慈しみあい、二人はごく自然に求めあっていった――。 あなたはあたし、あたしは、あなた。どこにでもいそうな中年男と、日本人離れしている容貌の二十六歳の女。寄り添い、抱き合い、慈しみあい、二人はごく自然に求めあっていった――。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「さいはての二人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 中篇(表題作)が1篇と、短篇2つを収録。表題作「さいはての二人」は、主題がやや拡散気味で、主人公の美亜も外見はともかく内質の魅力には幾分乏しいようだ。そのことは同様に相手の朴さんにもあてはまり、在日被 中篇(表題作)が1篇と、短篇2つを収録。表題作「さいはての二人」は、主題がやや拡散気味で、主人公の美亜も外見はともかく内質の魅力には幾分乏しいようだ。そのことは同様に相手の朴さんにもあてはまり、在日被爆2世という設定も、なんだか種明かしのようで、かえって小説としての説得力を欠く結果になったように思う。一方、2つの短篇はよく似た発想で書かれているものの、作品に込められた二重、三重の喪失感が主題を十分に支えている。「約束」は、リアルにはともかく、小説的なリアリティは十分に確保されていると言えるだろう。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2018年03月22日
    314人がナイス!しています
  • 表題作100頁、「約束」34頁「遮断機」27頁の3篇。「約束」が特に心に沁みる。渓流の如く淀みなく紡がれる文章は、女性らしいしなやかさを有し研ぎ澄まされた感性が匂い立つ。筆致はドライだが、儚く頽れるような繊細 表題作100頁、「約束」34頁「遮断機」27頁の3篇。「約束」が特に心に沁みる。渓流の如く淀みなく紡がれる文章は、女性らしいしなやかさを有し研ぎ澄まされた感性が匂い立つ。筆致はドライだが、儚く頽れるような繊細さが生み出す情緒には温かみがある。綴られるのは、孤独・諦観・虚無といったマイナスの心象であるが、反面そこから仄見える「生」の貴さや喜びやおかしみが胸を打つ。桜木紫乃さんを瑞々しくした感じと言えば、作品の雰囲気は伝わるだろうか。読メの登録があまりに少ないのが惜しい。女性にお薦めしたい。#ニコカド2020 …続きを読む
    みも
    2021年01月09日
    223人がナイス!しています
  • 初読みの作家さんで、今は亡き鷺沢萌(さぎさわめぐむ)さんです。作者さんの‘最期’の恋愛小説というだけあって、気のせいなのかどの文章からも、どこかただならぬ雰囲気を感じるような気がしてなりません。本作は表 初読みの作家さんで、今は亡き鷺沢萌(さぎさわめぐむ)さんです。作者さんの‘最期’の恋愛小説というだけあって、気のせいなのかどの文章からも、どこかただならぬ雰囲気を感じるような気がしてなりません。本作は表題作ほか2編の計3編からなる短編集ですが、どの作品も人物の心理、周囲の情景ともに描写が秀逸です。展開的には終始、シリアスな空気でつつまれていますが、どこかに芯の強さがひっそりと表現されているように思えます。芥川賞および三島賞候補にもなった作家さんだけに、本作だけでもその実力が非凡なのは言うまでもありません。 …続きを読む
    おしゃべりメガネ
    2015年11月08日
    213人がナイス!しています

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