末枯れの花守り

末枯れの花守り

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

label
  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2002年03月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044120078
label

末枯れの花守り

  • 著者 菅 浩江
  • カバーイラスト 智内 兄助
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2002年03月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044120078

様々な「花」に託して女心の深奥を描く、あやかしのトゥルー・ストーリー。

初めて植えた朝顔に、男への想いを託す今日子。だが、最初の一輪が咲いた時に知り合った圭二郎から連絡が絶えてひと月になる。彼女の心が限界に近づいた時、永世姫、常世姫と名のる艶やかな和装姿の女たちが現れた… 初めて植えた朝顔に、男への想いを託す今日子。だが、最初の一輪が咲いた時に知り合った圭二郎から連絡が絶えてひと月になる。彼女の心が限界に近づいた時、永世姫、常世姫と名のる艶やかな和装姿の女たちが現れた…

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「末枯れの花守り」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 寂として我が身のすぐ傍に或る異界から、現世へとしなやかに伸び咲き綻ぶ花の傲然とした美しさ。人の心を花に変え蒐集したがる艶やかな姉妹と、それを阻止する謎多き花守りの青年。夜明けに目覚める朝顔、夕映えの赫 寂として我が身のすぐ傍に或る異界から、現世へとしなやかに伸び咲き綻ぶ花の傲然とした美しさ。人の心を花に変え蒐集したがる艶やかな姉妹と、それを阻止する謎多き花守りの青年。夜明けに目覚める朝顔、夕映えの赫奕たる曼珠沙華、雪中の寒牡丹、色風に揺れる山百合、神木の松に寄り添う梅。生者必滅、花は咲いて畢ることが必定。それ以上を望み希ってはならない。何故ならば花は人の心を容易く奪えてしまうから。姫君達のお召し物、歌舞伎に和歌。目が眩むほど絢爛豪華で、咽返るような花気に包まれた心地になる私の胸に咲く花は果たして何色か。 …続きを読む
    カナン
    2017年04月30日
    55人がナイス!しています
  • 鏡の如き泉にうつる花はどれも夢幻か。花が願わず咲くこと、それは徒花。花は命の限りを尽くし咲くのであるから人は酔い蝶は舞う。酔狂な美姫は邪に逆しまに美を愛でる。妙なる香りも重なり濁れば咽るばかり。主人の 鏡の如き泉にうつる花はどれも夢幻か。花が願わず咲くこと、それは徒花。花は命の限りを尽くし咲くのであるから人は酔い蝶は舞う。酔狂な美姫は邪に逆しまに美を愛でる。妙なる香りも重なり濁れば咽るばかり。主人の花を守れなかった者たちはとこしえに身を焼き心を砕くが安寧は訪れずに、花追い旅を行脚する。主従の隠した涙こそ花そのもの。主従が思う心こそ花そのもの。刹那に咲く朝顔、地下でつながる曼珠沙華、百花の王牡丹、風に揺れる百合も咲き、また枯れてこそ、心の中で永遠の安らぎを得る。人もまたそうなのだ。 …続きを読む
    井月 奎(いづき けい)
    2016年05月22日
    35人がナイス!しています
  • ★★★★朝顔を植うるは心寂しき人、朝ごとに開く新しい花を心待ちに、それだけを生きるよすがに、眠りの淵より這い上がる。花を愛でる人は、みなそのようなもの。散り急ぐ花。咲けば枯れるのが必定。永遠などない。それ ★★★★朝顔を植うるは心寂しき人、朝ごとに開く新しい花を心待ちに、それだけを生きるよすがに、眠りの淵より這い上がる。花を愛でる人は、みなそのようなもの。散り急ぐ花。咲けば枯れるのが必定。永遠などない。それが当たり前。流れる時間の中で。移り変わるもの。儚い。一瞬の逢瀬。刹那の交わり。滅びは優しく残酷。この世の花。哀れなもの。不憫。哀れを映して花の色も冴える。咲き残った花。可憐。妖気。花に名残は尽きねども。花に想いを託す。花を愛でる気持ち。花心。生者必滅。花はなべて咲く寸前が一番傲慢で美しい。 …続きを読む
    ほじゅどー
    2016年04月13日
    13人がナイス!しています

powered by 読書メーター

この著者の商品

最近チェックした商品