落下する夕方

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1999年07月05日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
304
ISBN:
9784043480012
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落下する夕方

  • 著者 江國 香織
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1999年07月05日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
304
ISBN:
9784043480012
別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。 別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「落下する夕方」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • まず、タイトルがいい。なかなかに詩的な響きだと思う。やや不思議なプロットだが、受け入れられなくはない。ある日、突然にやって来て、またある日、唐突に姿を消してしまう華子は、風の又三郎のようだ。彼女に翻弄 まず、タイトルがいい。なかなかに詩的な響きだと思う。やや不思議なプロットだが、受け入れられなくはない。ある日、突然にやって来て、またある日、唐突に姿を消してしまう華子は、風の又三郎のようだ。彼女に翻弄されるのは、梨果だけではない。彼女と接点を持つ何人もの男女がそうだ。また、三角関係からは近松の『心中天の網島』を連想させる。華子はさしずめ遊女の小春で、梨果が妻のおさん、そして健吾が治平衛。男が全く主体的な行動を起こせないのも同じ。中に立って、最も煩悶するのが梨果というのもそうだ。なお、最後の2行が秀逸。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2019年10月10日
    550人がナイス!しています
  • 8年間同棲した男が「他に好きな人ができた」とマンションを出ていく。それだけで腹立たしいのに、その好きな女華子が押しかけて始まる不健全な同居。こんな不穏な話をこんなに冷静に、いつか失う夕暮れの切なさのよ 8年間同棲した男が「他に好きな人ができた」とマンションを出ていく。それだけで腹立たしいのに、その好きな女華子が押しかけて始まる不健全な同居。こんな不穏な話をこんなに冷静に、いつか失う夕暮れの切なさのように描けるなんて。 夕方のシーンなんて出てこないけど、この話のタイトルは間違いなく「落下する夕方」。「一人の男と人生を共有しているときの、ありふれた日常の信じられないような幸福」を失った耐えがたい喪失を、新しいぬくもりで埋めずに進む「冷静で、明晰で、しずかで、あかるくて、絶望している」物語。江國さん好きです。 …続きを読む
    ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
    2018年10月08日
    157人がナイス!しています
  • ゆっくりとした失恋小説でした。長年付き合ってきた恋人が破局し、彼の新しい恋人と同居するというストーリーに驚きました。でも案外すぐその状況に慣れてしまうのが女子同士が一緒に住むということなのかなと思いま ゆっくりとした失恋小説でした。長年付き合ってきた恋人が破局し、彼の新しい恋人と同居するというストーリーに驚きました。でも案外すぐその状況に慣れてしまうのが女子同士が一緒に住むということなのかなと思います。強烈な印象を持つ華子と暮らすようになり、梨果が彼女の魅力に惹かれていたからこそ、最後の展開に現実の女性になろうとしたのでしょう。梨果、健吾、華子の微妙だけれど穏やかな三角関係は愛しきることも憎みきることもできず、永遠に続くものだと信じたかったです。だから帰れない関係になったとき、静かに痛みが広がりました。 …続きを読む
    優希
    2016年05月08日
    127人がナイス!しています

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